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東北大学 1970年 理系 第4問 解説

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東北大学 1970年 理系 第4問 解説

方針・初手

点 $P=(x,f(x))$ における接線の $x$ 切片を $T$ とし,$P$ から $x$ 軸に下ろした足を $M=(x,0)$ とする。

まず,接線の方程式から $TM$ を $f(x),f'(x)$ で表す。すると条件 「$TM\cdot OM=a$」 が微分方程式に直るので,$f(x)$ が単調増加か単調減少かで場合分けして解けばよい。 その後,$(1,1)$ が変曲点となる条件を $f''(1)=0$ と符号変化で判定する。

解法1

点 $P=(x,y)$ とおく。ただし $y=f(x)$,$x>0$,$y>0$ である。

$P$ における接線は

$$ Y-y=f'(x)(X-x) $$

である。これが $x$ 軸と交わる点を $T=(X_T,0)$ とすると,

$$ -y=f'(x)(X_T-x) $$

より,

$$ X_T=x-\frac{y}{f'(x)} $$

となる。したがって

であるから,条件 $TM\cdot OM=a$ は

$$ x\left|\frac{y}{f'(x)}\right|=a $$

すなわち

$$ \left|f'(x)\right|=\frac{x}{a}f(x) $$

を意味する。

ここで $f(x)$ はつねに増加するか,つねに減少するかのどちらかであるから,$f'(x)$ の符号は一定である。

(i) $f(x)$ がつねに増加する場合

このとき $f'(x)>0$ なので,

$$ f'(x)=\frac{x}{a}f(x) $$

である。よって

$$ \frac{f'(x)}{f(x)}=\frac{x}{a} $$

を積分して,

$$ \log f(x)=\frac{x^2}{2a}+C $$

したがって

$$ f(x)=Ce^{\frac{x^2}{2a}} $$

となる。条件 $f(1)=1$ より

$$ 1=Ce^{\frac{1}{2a}} $$

であるから,

$$ C=e^{-\frac{1}{2a}} $$

よって

$$ f(x)=e^{\frac{x^2-1}{2a}} $$

を得る。

(ii) $f(x)$ がつねに減少する場合

このとき $f'(x)<0$ なので,

$$ f'(x)=-\frac{x}{a}f(x) $$

である。よって

$$ \frac{f'(x)}{f(x)}=-\frac{x}{a} $$

を積分して,

$$ \log f(x)=-\frac{x^2}{2a}+C $$

したがって

$$ f(x)=Ce^{-\frac{x^2}{2a}} $$

となる。条件 $f(1)=1$ より

$$ 1=Ce^{-\frac{1}{2a}} $$

であるから,

$$ C=e^{\frac{1}{2a}} $$

よって

$$ f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2a}} $$

を得る。

以上より,

$$ f(x)=e^{\frac{x^2-1}{2a}} \quad \text{または} \quad f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2a}} $$

である。

次に,$(1,1)$ が変曲点となる条件を調べる。

(iii) 増加する場合の変曲点条件

$$ f(x)=e^{\frac{x^2-1}{2a}} $$

とすると,

$$ f'(x)=\frac{x}{a}f(x) $$

さらに

$$ f''(x)=\frac{1}{a}f(x)+\frac{x}{a}f'(x) =f(x)\left(\frac{1}{a}+\frac{x^2}{a^2}\right) $$

である。$a>0$,$f(x)>0$ だから $f''(x)>0$ が常に成り立つ。したがってこの場合,変曲点は存在しない。

(iv) 減少する場合の変曲点条件

$$ f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2a}} $$

とすると,

$$ f'(x)=-\frac{x}{a}f(x) $$

さらに

$$ f''(x) =-\frac{1}{a}f(x)-\frac{x}{a}f'(x) =f(x)\left(-\frac{1}{a}+\frac{x^2}{a^2}\right) =f(x)\frac{x^2-a}{a^2} $$

である。

点 $(1,1)$ が変曲点であるためには,まず $f''(1)=0$ が必要である。よって

$$ f''(1)=f(1)\frac{1-a}{a^2}=0 $$

より

$$ a=1 $$

を得る。

このとき

$$ f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2}} $$

であり,

$$ f''(x)=f(x)(x^2-1) $$

となるから,

である。したがって確かに $(1,1)$ は変曲点である。

また,

$$ f'(x)=-xe^{\frac{1-x^2}{2}}<0 \quad (x>0) $$

より単調減少であり,

$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=0 $$

である。さらに $x=0$ まで延長して見れば $f(0)=e^{1/2}=\sqrt e$ である。

よって概形は,$(0,\sqrt e)$ 付近から出発して右下がりに減少し,$(1,1)$ を変曲点として,その後は下に凸のまま $x$ 軸に近づく曲線である。

解説

この問題の要点は,幾何条件を接線の $x$ 切片で式に直すことである。 接線の $x$ 切片の $x$ 座標は

$$ x-\frac{f(x)}{f'(x)} $$

となるので,$TM$ は $\left|\dfrac{f(x)}{f'(x)}\right|$ と書ける。これにより条件がそのまま微分方程式になる。

また,単調増加か単調減少かで $f'(x)$ の符号が決まるため,絶対値を外す際に場合分けが必要である。 変曲点については $f''(1)=0$ だけでは不十分で,前後で $f''$ の符号が変わることまで確認する必要がある。

答え

$$ f(x)=e^{\frac{x^2-1}{2a}} \quad \text{または} \quad f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2a}} $$

である。

さらに $(1,1)$ が変曲点となるのは減少する場合に限られ,

$$ a=1 $$

である。

そのとき

$$ f(x)=e^{\frac{1-x^2}{2}} $$

となり,曲線は第1象限で単調減少し,$(1,1)$ を変曲点として,右へ行くほど $x$ 軸に近づく。

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