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東北大学 1973年 理系 第4問 解説

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東北大学 1973年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) 式が $y^2 = (\text{式})$ の形で与えられているため、$y^2 \geqq 0$ の条件から $x$ の定義域を特定する。また、$y$ を $-y$ に置き換えても元の式と同値になることから、曲線が $x$ 軸に関して対称であることを利用し、$y \geqq 0$ の部分($y = x^2\sqrt{x+1}$)について微分を用いて増減と凹凸を調べる。

(2) 領域を不等式で表し、(1) で調べた定義域とグラフの概形から積分区間と上下関係を判断する。図形が $x$ 軸対称であることを利用して、$y \geqq 0$ の部分の面積を計算し、それを $2$ 倍する方針をとる。被積分関数に根号が含まれるため、適宜置換積分を利用する。

解法1

(1)

与えられた曲線の方程式は

$$ y^2 = x^4(x+1) $$

実数 $y$ が存在するための条件は $y^2 \geqq 0$ であるから、

$$ x^4(x+1) \geqq 0 $$

これより $x = 0$ または $x+1 \geqq 0$ となり、曲線の存在範囲(定義域)は $x \geqq -1$ である。 また、方程式において $y$ を $-y$ に置き換えても式は変化しないため、この曲線は $x$ 軸に関して対称である。したがって、以下では $y \geqq 0$ の部分について考える。

$x \geqq -1$ において、$y = x^2\sqrt{x+1}$ である。 $f(x) = x^2\sqrt{x+1}$ とおくと、$x > -1$ においてその導関数は

$$ \begin{aligned} f'(x) &= 2x\sqrt{x+1} + x^2 \cdot \frac{1}{2\sqrt{x+1}} \\ &= \frac{4x(x+1) + x^2}{2\sqrt{x+1}} \\ &= \frac{5x^2 + 4x}{2\sqrt{x+1}} \\ &= \frac{x(5x+4)}{2\sqrt{x+1}} \end{aligned} $$

さらに第2次導関数を計算すると、

$$ \begin{aligned} f''(x) &= \frac{1}{2} \cdot \frac{(10x+4)\sqrt{x+1} - (5x^2+4x) \cdot \frac{1}{2\sqrt{x+1}}}{x+1} \\ &= \frac{2(10x+4)(x+1) - (5x^2+4x)}{4(x+1)\sqrt{x+1}} \\ &= \frac{20x^2 + 28x + 8 - 5x^2 - 4x}{4(x+1)\sqrt{x+1}} \\ &= \frac{15x^2 + 24x + 8}{4(x+1)\sqrt{x+1}} \end{aligned} $$

$f'(x) = 0$ となるのは、$x = 0, -\frac{4}{5}$ のときである。 $f''(x) = 0$ となるのは、$15x^2 + 24x + 8 = 0$ のときである。この2次方程式の解は

$$ x = \frac{-12 \pm \sqrt{144 - 120}}{15} = \frac{-12 \pm 2\sqrt{6}}{15} $$

ここで、$2 < \sqrt{6} < 3$ より $4 < 2\sqrt{6} < 6$ であるため、

$$ \frac{-12 - 2\sqrt{6}}{15} < \frac{-16}{15} < -1 $$

となり、一方は定義域外となる。もう一方の解を $\alpha = \frac{-12 + 2\sqrt{6}}{15}$ とおくと、

$$ -\frac{4}{5} = -\frac{12}{15} < \frac{-12 + 2\sqrt{6}}{15} < 0 $$

より、$-1 < -\frac{4}{5} < \alpha < 0$ を満たす。 以上より、$f(x)$ の増減および凹凸の表は次のようになる。

$x$ $-1$ $\cdots$ $-\frac{4}{5}$ $\cdots$ $\alpha$ $\cdots$ $0$ $\cdots$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$ $-$ $-$ $0$ $+$
$f''(x)$ $-$ $-$ $-$ $0$ $+$ $+$ $+$
$f(x)$ $0$ $\nearrow$ 上に凸 極大 $\searrow$ 上に凸 変曲点 $\searrow$ 下に凸 極小 $\nearrow$ 下に凸

極値は以下の通りである。

$$ \text{極大値}: f\left(-\frac{4}{5}\right) = \left(-\frac{4}{5}\right)^2 \sqrt{-\frac{4}{5} + 1} = \frac{16}{25} \cdot \frac{1}{\sqrt{5}} = \frac{16\sqrt{5}}{125} $$

$$ \text{極小値}: f(0) = 0 $$

また、$\lim_{x \to \infty} f(x) = \infty$ であり、端点 $x = -1$ における接線の傾きについて $\lim_{x \to -1+0} f'(x) = \infty$ であるから、曲線は点 $(-1, 0)$ において $y$ 軸に平行な接線を持つ。 原点においては $f'(0) = 0$ より $x$ 軸に接する。 求める曲線の概形は、上記の $y = f(x)$ のグラフと、それを $x$ 軸に関して対称移動させた $y = -f(x)$ のグラフを合わせたものとなる。

(2)

求める面積の領域は、$x \leqq 0$ かつ $y^2 \leqq x^4(x+1)$ を満たす部分である。 (1) で調べた定義域より、$x$ の取りうる範囲は $-1 \leqq x \leqq 0$ である。 不等式は $-x^2\sqrt{x+1} \leqq y \leqq x^2\sqrt{x+1}$ と表せるため、この領域は $x$ 軸に関して対称である。 したがって、求める面積 $S$ は、$y \geqq 0$ の部分の面積の $2$ 倍となる。

$$ S = 2 \int_{-1}^{0} x^2\sqrt{x+1} \, dx $$

この定積分を計算するために、$t = x + 1$ とおく。 $x = t - 1$ より $dx = dt$ であり、積分区間は $x$ が $-1 \to 0$ のとき、$t$ は $0 \to 1$ となる。

$$ \begin{aligned} S &= 2 \int_{0}^{1} (t - 1)^2 \sqrt{t} \, dt \\ &= 2 \int_{0}^{1} (t^2 - 2t + 1) t^{\frac{1}{2}} \, dt \\ &= 2 \int_{0}^{1} \left( t^{\frac{5}{2}} - 2t^{\frac{3}{2}} + t^{\frac{1}{2}} \right) dt \\ &= 2 \left[ \frac{2}{7}t^{\frac{7}{2}} - 2 \cdot \frac{2}{5}t^{\frac{5}{2}} + \frac{2}{3}t^{\frac{3}{2}} \right]_{0}^{1} \\ &= 2 \left( \frac{2}{7} - \frac{4}{5} + \frac{2}{3} \right) \\ &= 2 \cdot \frac{30 - 84 + 70}{105} \\ &= 2 \cdot \frac{16}{105} \\ &= \frac{32}{105} \end{aligned} $$

解説

$y^2 = g(x)$ の形で表される曲線の概形と面積を求める典型的な問題である。 最初から両辺の平方根をとって力任せに計算するのではなく、$y^2 \geqq 0$ という実数の性質から $x$ の定義域を特定することが最も重要である。また、$y$ の偶数乗しか登場しないことから $x$ 軸対称性を見抜き、調べる範囲を $y \geqq 0$ に絞ることで計算量とミスを減らすことができる。 面積計算においては、根号を含む関数の積分で標準的な置換である $t=x+1$(または $t=\sqrt{x+1}$)を用いることで、展開可能な多項式の積分へと帰着させることができる。

答え

(1) 増減と凹凸は解答中の表の通り。グラフの概形は、点 $(-1, 0)$ において $y$ 軸に平行な接線を持ち、原点で $x$ 軸に接する、$x$ 軸対称な曲線となる。(図示は省略)

(2) $$ \frac{32}{105} $$

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