東北大学 1973年 理系 第5問 解説

方針・初手
(1) 与えられた等式は「任意の微分可能な関数 $f(x)$ に対して」成り立つので、積の微分公式を用いて $g(x)$ が満たすべき微分方程式を取り出す。
(2)
$f'(x)+f(x)=1+x^2$ は一次の線形微分方程式である。(1) で求めた関数を積分因子として用いると、左辺を1つの微分にまとめられる。
解法1
(1) 関数 $g(x)$ を求める
条件より、任意の微分可能な関数 $f(x)$ に対して
$$ \frac{d}{dx}{f(x)g(x)}=g(x)\left{f(x)+\frac{d}{dx}f(x)\right} $$
が成り立つ。
左辺を積の微分公式で展開すると
$$ f'(x)g(x)+f(x)g'(x)=g(x)f(x)+g(x)f'(x) $$
である。ここで $f'(x)g(x)$ と $g(x)f'(x)$ は同じであるから消去できて、
$$ f(x)g'(x)=f(x)g(x) $$
を得る。
この関係は任意の微分可能な関数 $f(x)$ に対して成り立つので、特に $f(x)\equiv 1$ とおけば
$$ g'(x)=g(x) $$
となる。
したがって $g(x)$ は微分方程式
$$ g'(x)=g(x) $$
を満たし、初期条件 $g(0)=1$ を満たすから
$$ g(x)=e^x $$
である。
(2) 微分方程式を解く
与えられた微分方程式は
$$ f(x)+f'(x)=1+x^2 $$
すなわち
$$ f'(x)+f(x)=1+x^2 $$
である。
(1) で求めた $g(x)=e^x$ は $g'(x)=g(x)$ を満たすので、両辺に $e^x$ を掛けると
$$ e^x f'(x)+e^x f(x)=e^x(1+x^2) $$
となる。左辺は積の微分になっていて、
$$ \frac{d}{dx}{e^x f(x)}=e^x(1+x^2) $$
である。
よって両辺を積分すると
$$ e^x f(x)=\int e^x(1+x^2),dx $$
となる。
ここで
$$ \frac{d}{dx}\left[e^x(x^2-2x+3)\right] =e^x(x^2-2x+3)+e^x(2x-2) =e^x(1+x^2) $$
であるから、
$$ \int e^x(1+x^2),dx=e^x(x^2-2x+3)+C $$
である。したがって
$$ e^x f(x)=e^x(x^2-2x+3)+C $$
より
$$ f(x)=x^2-2x+3+Ce^{-x} $$
を得る。
初期条件 $f(0)=0$ を用いると
$$ 0=3+C $$
であるから
$$ C=-3 $$
となる。よって求める解は
$$ f(x)=x^2-2x+3-3e^{-x} $$
である。
解説
(1) の本質は、「任意の $f(x)$ に対して成り立つ」という条件である。特定の $f$ に対してではなく、すべての $f$ に対して成り立つため、$g$ 自身が満たすべき条件 $g'=g$ が取り出せる。
(2) は一次線形微分方程式の典型問題であり、積分因子を用いて左辺を積の微分に直すのが標準的な処理である。(1) はその積分因子を先に求めさせる誘導になっている。
答え
(1) $$ g(x)=e^x $$
(2) $$ f(x)=x^2-2x+3-3e^{-x} $$
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