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東北大学 1981年 理系 第6問 解説

数学2/三角関数数学2/指数対数数学3/微分法テーマ/速度・距離
東北大学 1981年 理系 第6問 解説

方針・初手

まず速さの条件を式に直す。$x=f(t)\sin t,\ y=f(t)\cos t$ であるから、$x',y'$ を求めて速さ $\sqrt{(x')^2+(y')^2}$ を計算すれば、$f(t)$ の満たす微分方程式が得られる。

その後、速さそのものが $2f(t)$ と与えられているので、道のりはその積分で求まる。

解法1

点 $P$ の座標は

$$ x=f(t)\sin t,\qquad y=f(t)\cos t $$

である。

したがって微分すると

$$ x'=f'(t)\sin t+f(t)\cos t $$

$$ y'=f'(t)\cos t-f(t)\sin t $$

となる。

ここで速さ $v$ は

$$ v=\sqrt{(x')^2+(y')^2} $$

であるから、

$$ \begin{aligned} (x')^2+(y')^2 &=\left(f'\sin t+f\cos t\right)^2+\left(f'\cos t-f\sin t\right)^2 \ &=(f')^2(\sin^2 t+\cos^2 t)+f^2(\sin^2 t+\cos^2 t) \ &\quad +2ff'\sin t\cos t-2ff'\sin t\cos t \ &=(f')^2+f^2 \end{aligned} $$

となる。よって

$$ v=\sqrt{(f')^2+f^2} $$

である。

問題文より、時刻 $t$ における速さは $2f(t)$ に等しいから

$$ \sqrt{(f')^2+f^2}=2f $$

を満たす。両辺を2乗して

$$ (f')^2+f^2=4f^2 $$

すなわち

$$ (f')^2=3f^2 $$

を得る。

また、$t=0$ のとき $P=(0,1)$ であるから

$$ x(0)=f(0)\sin 0=0,\qquad y(0)=f(0)\cos 0=f(0)=1 $$

より

$$ f(0)=1 $$

である。

さらに、$t\to\infty$ のとき $P$ は原点に近づくので、$x(t),y(t)\to 0$ となる。したがって $f(t)\to 0$ でなければならない。

ここで

$$ (f')^2=3f^2 $$

より

$$ f'=\pm \sqrt{3},f $$

であるが、$f(0)=1$ かつ $t\to\infty$ で $f(t)\to 0$ となるためには減少解をとる必要がある。よって

$$ f'=-\sqrt{3},f $$

である。

これを解くと

$$ f(t)=Ce^{-\sqrt{3}t} $$

初期条件 $f(0)=1$ より $C=1$ だから

$$ f(t)=e^{-\sqrt{3}t} $$

となる。

次に、時刻 $0$ から時刻 $a$ までの道のり $L$ は、速さを積分して

$$ L=\int_0^a v,dt $$

で与えられる。ここで $v=2f(t)=2e^{-\sqrt{3}t}$ であるから

$$ L=\int_0^a 2e^{-\sqrt{3}t},dt $$

$$ \begin{aligned} L &=2\left[-\frac{1}{\sqrt{3}}e^{-\sqrt{3}t}\right]_0^a \ &=\frac{2}{\sqrt{3}}\left(1-e^{-\sqrt{3}a}\right) \end{aligned} $$

となる。

解説

この問題の核心は、座標表示から速さを計算すると

$$ (x')^2+(y')^2=(f')^2+f^2 $$

ときれいに整理される点にある。$\sin t,\cos t$ の混合項が打ち消し合うため、$f(t)$ に関する微分方程式へ直接落とし込める。

また、$f'=\pm\sqrt{3}f$ の2通りが出るが、$t\to\infty$ で原点に近づくという条件によって、増加する解は排除される。この条件処理を落とさないことが重要である。

答え

$$ f(t)=e^{-\sqrt{3}t} $$

$$ 0\le t\le a\ \text{における道のり}=\frac{2}{\sqrt{3}}\left(1-e^{-\sqrt{3}a}\right) $$

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