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東北大学 1988年 理系 第6問 解説

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東北大学 1988年 理系 第6問 解説

方針・初手

半円 $C$ 上の点は偏角 $\theta$ を用いて

$$ P=(\cos\theta,\sin\theta)\qquad (0\leqq \theta \leqq \pi) $$

と表せる。 また、$Q$ は $P$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足であるから、三角形 $APQ$ の面積は底辺 $AQ$ と高さ $PQ$ を用いて簡単に書ける。

(1) は等間隔に並ぶ点を偏角で表せばリーマン和になる。 (2) は面積条件をそのまま式にし、$-1\leqq x\leqq 1$ を使って $y_a$ をはさみうちすればよい。

解法1

(1)

点 $P=(x,y)\in C$ に対し、$Q=(x,0)$ であるから、

$$ AQ=a-x,\qquad PQ=y $$

より

$$ S_a(P)=\frac12(a-x)y $$

である。

半円 $C$ 上に $P_0(1,0),P_1,\dots,P_n(-1,0)$ がこの順序に等間隔に並ぶとは、偏角が等間隔に並ぶことを意味する。よって

$$ P_k=\left(\cos\frac{k\pi}{n},\ \sin\frac{k\pi}{n}\right)\qquad (k=0,1,\dots,n) $$

と書ける。

したがって

$$ S_a(P_k)=\frac12\left(a-\cos\frac{k\pi}{n}\right)\sin\frac{k\pi}{n} $$

であり、

$$ M(a)=\lim_{n\to\infty}\frac1n\sum_{k=1}^n \frac12\left(a-\cos\frac{k\pi}{n}\right)\sin\frac{k\pi}{n}. $$

ここで

$$ f(\theta)=\frac12(a-\cos\theta)\sin\theta $$

とおくと、

$$ \frac1n\sum_{k=1}^n f!\left(\frac{k\pi}{n}\right) =\frac1\pi \sum_{k=1}^n f!\left(\frac{k\pi}{n}\right)\frac{\pi}{n} $$

であるから、これは区間 $[0,\pi]$ におけるリーマン和であり、

$$ M(a)=\frac1\pi\int_0^\pi \frac12(a-\cos\theta)\sin\theta,d\theta $$

となる。

よって

$$ \begin{aligned} M(a) &=\frac{1}{2\pi}\left(a\int_0^\pi \sin\theta,d\theta-\int_0^\pi \cos\theta\sin\theta,d\theta\right)\ &=\frac{1}{2\pi}\left(a\cdot 2-0\right)\ &=\frac{a}{\pi}. \end{aligned} $$

したがって

$$ M(a)=\frac{a}{\pi} $$

である。

(2)

$M(a)=S_a(P)$ を満たす点 $P=(x,y)$ は

$$ \frac12(a-x)y=M(a)=\frac{a}{\pi} $$

を満たす。したがって

$$ (a-x)y=\frac{2a}{\pi} $$

すなわち

$$ \left(1-\frac{x}{a}\right)y=\frac{2}{\pi} $$

である。

ここで $P\in C$ であるから $-1\leqq x\leqq 1$ であり、$a>1$ より

$$ 1-\frac1a \leqq 1-\frac{x}{a} \leqq 1+\frac1a $$

が成り立つ。よって逆数をとると

$$ \frac{1}{1+\frac1a}\leqq \frac{1}{1-\frac{x}{a}}\leqq \frac{1}{1-\frac1a}. $$

これに $\dfrac{2}{\pi}$ を掛ければ

$$ \frac{2}{\pi\left(1+\frac1a\right)} \leqq y \leqq \frac{2}{\pi\left(1-\frac1a\right)}. $$

特に、条件を満たす点のうち $x$ 座標が最大のものを $(x_a,y_a)$ としても同じ評価が成り立つので、

$$ \frac{2}{\pi\left(1+\frac1a\right)} \leqq y_a \leqq \frac{2}{\pi\left(1-\frac1a\right)}. $$

$a\to\infty$ とすると両端はいずれも $\dfrac{2}{\pi}$ に収束するから、はさみうちの原理より

$$ \lim_{a\to\infty} y_a=\frac{2}{\pi} $$

である。

解説

この問題の要点は、半円上の点を $P=(\cos\theta,\sin\theta)$ と置くことである。これにより、(1) は「等間隔に並ぶ点」が偏角の等分に対応し、そのままリーマン和に落ちる。

また (2) では、$x_a$ を直接求めようとすると煩雑になるが、必要なのは $y_a$ の極限だけである。面積条件

$$ \left(1-\frac{x}{a}\right)y=\frac{2}{\pi} $$

と $-1\leqq x\leqq 1$ だけで $y_a$ をはさみうちできるので、$x_a$ を具体的に解く必要はない。この見切りが重要である。

答え

$$ \text{(1)}\quad M(a)=\frac{a}{\pi} $$

$$ \text{(2)}\quad \lim_{a\to\infty} y_a=\frac{2}{\pi} $$

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