東北大学 1997年 理系 第5問 解説

方針・初手
共有点をもつかどうかは、2つの $y$ の値が一致する実数 $x$ が存在するかどうかに言い換えればよい。
したがって
$$ x^2+1=\left|\frac{(x+1)(x-a)}{2}\right| $$
を満たす実数 $x$ が存在しない条件を調べる。
解法1
共有点の $x$ 座標は
$$ x^2+1=\left|\frac{(x+1)(x-a)}{2}\right| $$
を満たす。
両辺を $2$ 倍すると
$$ 2(x^2+1)=|(x+1)(x-a)| $$
となる。左辺は常に正であるから、両辺を2乗しても同値である。よって
$$ 4(x^2+1)^2=((x+1)(x-a))^2 $$
である。
これを差の平方として因数分解すると
$$ \left{(x+1)(x-a)-2(x^2+1)\right} \left{(x+1)(x-a)+2(x^2+1)\right}=0 $$
となる。さらに展開して整理すると
$$ \left{-x^2+(1-a)x-(a+2)\right} \left{3x^2+(1-a)x+(2-a)\right}=0 $$
すなわち
$$ \left{x^2-(1-a)x+(a+2)\right} \left{3x^2+(1-a)x+(2-a)\right}=0 $$
である。
したがって、共有点をもたないための必要十分条件は、次の2つの2次方程式がともに実数解をもたないことである。
$$ x^2-(1-a)x+(a+2)=0 $$
$$ 3x^2+(1-a)x+(2-a)=0 $$
そこでそれぞれの判別式を調べる。
まず1つ目について、判別式を $D_1$ とすると
$$ D_1=(1-a)^2-4(a+2)=a^2-6a-7=(a-7)(a+1) $$
である。これが負である条件は
$$ -1<a<7 $$
である。
次に2つ目について、判別式を $D_2$ とすると
$$ D_2=(1-a)^2-12(2-a)=a^2+10a-23 $$
であり、
$$ a^2+10a-23=(a+5)^2-48 $$
より
$$ D_2<0 \iff (a+5)^2<48 \iff -5-4\sqrt{3}<a<-5+4\sqrt{3} $$
となる。
よって求める条件は、この2つを同時に満たすことだから
$$ -1<a<7, \qquad -5-4\sqrt{3}<a<-5+4\sqrt{3} $$
の共通範囲である。ここで
$$ -5-4\sqrt{3}<-1,\qquad -5+4\sqrt{3}<7 $$
なので、共通範囲は
$$ -1<a<-5+4\sqrt{3} $$
となる。
解説
絶対値を含む方程式は場合分けでも解けるが、この問題では
$$ 2(x^2+1)=|(x+1)(x-a)| $$
を2乗して差の平方に持ち込むと、2つの2次方程式に分解できる。すると「共有点がない」という条件は「その2つがともに実数解をもたない」という判別式の条件に直ちに帰着する。
端点では判別式が $0$ となり、接する形で共有点をもつので、範囲は不等号が厳密になる。
答え
$$ -1<a<-5+4\sqrt{3} $$
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