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東京工業大学 1978年 理系 第3問 解説

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東京工業大学 1978年 理系 第3問 解説

方針・初手

まずは接線 $L$ の方程式を求め、問題に登場する点の座標を整理する。

円 $x^2 + y^2 = r^2$ 上の点 $\left(\frac{r}{\sqrt{2}}, \frac{r}{\sqrt{2}}\right)$ における接線 $L$ の方程式は、

$$ \frac{r}{\sqrt{2}}x + \frac{r}{\sqrt{2}}y = r^2 $$

となる。両辺を $\frac{r}{\sqrt{2}}$ で割ると、接線 $L$ の方程式は $x + y = \sqrt{2}r$ となる。

点 $P(a, b)$ は直線 $L$ 上の点であるから、

$$ a + b = \sqrt{2}r $$

が成り立つ。これを用いると、接点の座標は $\left(\frac{a+b}{2}, \frac{a+b}{2}\right)$ と書き換えることができる。さらに、点 $P$ は接点と異なる点であるから、

$$ a \neq \frac{a+b}{2} $$

すなわち $a \neq b$ が成り立つ。この $a \neq b$ という条件が、以降の証明で重要な役割を果たす。

解法1

(1)

直線 $L$ の方程式は $x + y = a + b$ である。 点 $Q(c, d)$ は $L$ 上の任意の点であるから、

$$ c + d = a + b $$

が成り立つ。

いま、$c = ta + (1-t)b$ を満たす実数 $t$ が存在するかどうかを考える。この式を $t$ について整理すると、

$$ c = t(a - b) + b $$

となる。前段で確認した通り $a \neq b$ であるから $a - b \neq 0$ であり、

$$ t = \frac{c - b}{a - b} $$

として実数 $t$ が一意に定まる。この $t$ を用いて $(1-t)a + tb$ を計算すると、

$$ \begin{aligned} (1-t)a + tb &= a - t(a - b) \\ &= a - (c - b) \\ &= a + b - c \end{aligned} $$

となる。ここで $c + d = a + b$ より $d = a + b - c$ であるから、

$$ (1-t)a + tb = d $$

が成り立つ。 以上より、任意の点 $Q(c, d)$ に対して適当な実数 $t$ をとることで、指定された形で表されることが示された。

(2)

(1)より、直線 $L$ 上の点は実数 $t$ を用いて $\left(ta + (1-t)b, (1-t)a + tb\right)$ と表される。

点 $Q$ が点 $P(a, b)$ に一致するとき、

$$ ta + (1-t)b = a $$

$$ t(a-b) = a-b $$

$a \neq b$ より $t = 1$ である。

また、点 $Q$ が接点 $\left(\frac{a+b}{2}, \frac{a+b}{2}\right)$ に一致するとき、

$$ ta + (1-t)b = \frac{a+b}{2} $$

$$ t(a-b) + b = \frac{a-b}{2} + b $$

$$ t(a-b) = \frac{a-b}{2} $$

$a \neq b$ より $t = \frac{1}{2}$ である。

点 $Q$ の各座標は $t$ に関する1次式であり、$t$ の値の変化に対して直線 $L$ 上を連続的に動く。 したがって、点 $Q$ が接点と点 $P$ を結ぶ線分上(両端を含む)にあるときの $t$ の範囲は、接点に対応する $t=\frac{1}{2}$ と、点 $P$ に対応する $t=1$ の間となる。

よって、求める $t$ の範囲は $\frac{1}{2} \leqq t \leqq 1$ である。

解法2

(1)

直線 $L$ は $x + y = a + b$ である。 ここで、座標の入れ替えを行った点 $R(b, a)$ を考えると、$b + a = a + b$ を満たすため、点 $R$ も直線 $L$ 上にある。 $a \neq b$ であるから、点 $P(a, b)$ と点 $R(b, a)$ は異なる2点である。

直線 $L$ はこの異なる2点 $P, R$ を通る直線であるから、$L$ 上の任意の点 $Q(c, d)$ の位置ベクトル $\vec{OQ}$ は、適当な実数 $t$ を用いて

$$ \vec{OQ} = t\vec{OP} + (1-t)\vec{OR} $$

と表される。これを成分で計算すると、

$$ \begin{aligned} (c, d) &= t(a, b) + (1-t)(b, a) \\ &= (ta + (1-t)b, tb + (1-t)a) \end{aligned} $$

となる。したがって、

$$ c = ta + (1-t)b, \quad d = (1-t)a + tb $$

と表されることが示された。

解説

(1) において、式 $ta + (1-t)b$ は「$a$ と $b$ を $1-t : t$ に内分(外分)する点」の形をしている。このことに気づけば、解法2のように $x$ 座標・ $y$ 座標のそれぞれで $P(a, b)$ と $R(b, a)$ を結ぶ直線のベクトル方程式として捉えることができる。直線のベクトル方程式 $\vec{p} = (1-t)\vec{a} + t\vec{b}$ の形は頻出であるため、成分表示された形から逆算してベクトルの形を見出せるようにしておきたい。

また、本問では「$P$ は接点と異なる点である」という条件が $a \neq b$ を保証し、これによって $t$ がただ1つに定まることや、2点 $P, R$ が一致しないことが保証されている。細かい条件を見落とさずに論理を展開することが重要である。

答え

(1)

任意の点 $Q(c, d)$ は、適当な実数 $t$ を用いて

$$ c = ta + (1-t)b, \quad d = (1-t)a + tb $$

と表される。

(2)

$\frac{1}{2} \leqq t \leqq 1$

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