東京大学 2001年 文系 第2問 解説

方針・初手
点 $A, B, C$ の座標を時刻 $t$ で表し、三角形 $ABC$ の面積 $S(t)$ を立式する。 点 $B$ の動き方が $y$ 軸上と $x$ 軸に平行な直線上で切り替わるため、$t$ の範囲によって場合分けが生じる。 立式後は導関数 $S'(t)$ を用いて $S(t)$ の増減を調べ、グラフの概形を捉える。 さらに、得られた $S(t)$ のグラフをもとに、区間 $0 < t \leqq u$ における最大値 $M(u)$ を求め、$M(u)$ のグラフを考える。
解法1
点 $A$ の座標は $(t^2, 0)$ である。 点 $B$ は一定の速さ $1$ で動くため、時刻 $t$ における移動距離は $t$ である。 点 $C(0, 3)$ までの経路の長さは $3$ であるから、$t$ の値によって点 $B$ の位置は以下のように場合分けされる。
(i)
$0 < t \leqq 3$ のとき
点 $B$ は $y$ 軸上を動き、その座標は $(0, t)$ である。 このとき、三角形 $ABC$ は、線分 $BC$ を底辺と見ることができる。 点 $C$ の座標は $(0, 3)$ であるため、底辺 $BC$ の長さは $3 - t$ である。 高さは点 $A(t^2, 0)$ の $x$ 座標の絶対値に等しく、$t^2$ である。 したがって、面積 $S(t)$ は次のように表される。
$$ S(t) = \frac{1}{2} \cdot (3 - t) \cdot t^2 = -\frac{1}{2} t^3 + \frac{3}{2} t^2 $$
(ii)
$t > 3$ のとき
点 $B$ は点 $C(0, 3)$ から $x$ 軸に平行な直線上を $x$ 座標が増加する方向に動く。 点 $C$ を通過してからの時間は $t - 3$ であり、速さは $1$ であるため、点 $B$ の座標は $(t - 3, 3)$ となる。 このとき、三角形 $ABC$ は、線分 $BC$ を底辺と見ることができる。 線分 $BC$ は $x$ 軸に平行であり、長さは $(t - 3) - 0 = t - 3$ である。 また、頂点 $A(t^2, 0)$ から底辺 $BC$(直線 $y = 3$ 上にある)までの距離が高さとなるため、高さは $3$ である。 したがって、面積 $S(t)$ は次のように表される。
$$ S(t) = \frac{1}{2} \cdot (t - 3) \cdot 3 = \frac{3}{2} t - \frac{9}{2} $$
(1)
求めた $S(t)$ の増減を調べる。
$0 < t \leqq 3$ のとき、$S(t) = -\frac{1}{2} t^3 + \frac{3}{2} t^2$ を微分すると、
$$ S'(t) = -\frac{3}{2} t^2 + 3t = -\frac{3}{2} t (t - 2) $$
$S'(t) = 0$ となるのは、$0 < t \leqq 3$ の範囲では $t = 2$ のときである。 $0 < t < 2$ において $S'(t) > 0$ であり、$S(t)$ は単調に増加する。 $2 < t < 3$ において $S'(t) < 0$ であり、$S(t)$ は単調に減少する。 したがって、$S(t)$ は $t = 2$ で極大となり、その値は $S(2) = -\frac{1}{2} \cdot 8 + \frac{3}{2} \cdot 4 = 2$ である。 また、$t \to +0$ のとき $S(t) \to 0$ であり、$t = 3$ のとき $S(3) = 0$ である。
$t > 3$ のとき、$S(t) = \frac{3}{2} t - \frac{9}{2}$ は傾き $\frac{3}{2}$ の直線であり、単調に増加する。 また、$t \to 3+0$ のとき $S(t) \to 0$ であるため、$t = 3$ においてグラフは連続である。
(2)
関数 $M(u)$ は、$0 < t \leqq u$ における $S(t)$ の最大値である。 (1)で調べた $S(t)$ の増減から、$M(u)$ を $u$ の範囲によって場合分けして求める。
(ア)
$0 < u \leqq 2$ のとき
$S(t)$ はこの区間で単調増加であるから、$t = u$ で最大となる。
$$ M(u) = S(u) = -\frac{1}{2} u^3 + \frac{3}{2} u^2 $$
(イ)
$u > 2$ で、$S(u) \leqq S(2)$ となる間
$t = 2$ における極大値 $S(2) = 2$ がそのまま最大値となる。 $t > 3$ の範囲で $S(t) = 2$ となる $t$ の値を求めると、
$$ \frac{3}{2} t - \frac{9}{2} = 2 $$
$$ \frac{3}{2} t = \frac{13}{2} $$
$$ t = \frac{13}{3} $$
したがって、$2 < u \leqq \frac{13}{3}$ のとき、最大値は $S(2)$ のままである。
$$ M(u) = 2 $$
(ウ)
$u > \frac{13}{3}$ のとき
$S(u)$ が極大値 $S(2)$ を超えるため、$t = u$ で最大となる。
$$ M(u) = S(u) = \frac{3}{2} u - \frac{9}{2} $$
以上より、$M(u)$ は次のように表される。
$$ M(u) = \begin{cases} -\frac{1}{2} u^3 + \frac{3}{2} u^2 & \left(0 < u \leqq 2\right) \\ 2 & \left(2 < u \leqq \frac{13}{3}\right) \\ \frac{3}{2} u - \frac{9}{2} & \left(u > \frac{13}{3}\right) \end{cases} $$
解説
動点によって作られる図形の面積の最大・最小、およびその関数のグラフを考える問題である。 動点の軌跡が途中で変わるため、時刻 $t$ によって場合分けをして面積 $S(t)$ を正しく立式できるかが最初の関門となる。 面積を求める際は、線分 $BC$ が $y$ 軸上または $x$ 軸に平行となることに着目し、これを底辺とみなすことで、複雑な面積公式を使わずとも簡潔に計算できる。 最大値を表す関数 $M(u)$ を求める処理は、関数 $f(t)$ に対して $M(x) = \max_{t \leqq x} f(t)$ を考える典型的なテーマである。極大値と同じ値をとる変数の値を正確に求めることがポイントである。
答え
(1)
関数 $S(t)$ は以下の通りである。
$$ S(t) = \begin{cases} -\frac{1}{2} t^3 + \frac{3}{2} t^2 & (0 < t \leqq 3) \\ \frac{3}{2} t - \frac{9}{2} & (t > 3) \end{cases} $$
グラフの概形は、原点 $(0, 0)$ を白丸とし、$0 < t < 3$ では点 $(2, 2)$ を極大点とする三次関数の曲線の一部となり、点 $(3, 0)$ で $t$ 軸と交わる。$t \geqq 3$ では点 $(3, 0)$ を端点とする傾き $\frac{3}{2}$ の半直線となる。
(2)
関数 $M(u)$ は以下の通りである。
$$ M(u) = \begin{cases} -\frac{1}{2} u^3 + \frac{3}{2} u^2 & \left(0 < u \leqq 2\right) \\ 2 & \left(2 < u \leqq \frac{13}{3}\right) \\ \frac{3}{2} u - \frac{9}{2} & \left(u > \frac{13}{3}\right) \end{cases} $$
グラフの概形は、原点 $(0, 0)$ を白丸とし、$0 < u \leqq 2$ では $S(u)$ の曲線と一致し、$2 \leqq u \leqq \frac{13}{3}$ では点 $(2, 2)$ と点 $(\frac{13}{3}, 2)$ を結ぶ $u$ 軸に平行な線分となり、$u \geqq \frac{13}{3}$ では $S(u)$ の半直線と一致する。
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