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東京大学 1997年 理系 第6問 解説

数学3/微分法数学2/積分法テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
東京大学 1997年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) では、曲線 $y = \frac{8}{27}x^3$ 上の点における接線を求め、それが放物線 $y = (x+a)^2$ と接する条件(連立して得られる2次方程式の判別式 $D=0$)を立式する。 得られた接点に関する方程式が、実数解をもつ条件を考える。その際、「$x$ 軸以外に2本」という指定があるため、不適な解を除外することに注意する。

(2) では、放物線と2本の接線で囲まれた面積を求める。計算には2つの接点の $x$ 座標の差が必要となるため、(1) で得た方程式に対して「解と係数の関係」を用いて差を計算する。

解法1

(1)

曲線 $C_1: y = \frac{8}{27}x^3$ と放物線 $C_2: y = (x+a)^2$ とする。 $C_1$ 上の点 $\left(t, \frac{8}{27}t^3\right)$ における接線の方程式を求める。 $y' = \frac{8}{9}x^2$ より、接線の傾きは $\frac{8}{9}t^2$ となるので、接線の方程式は

$$ y = \frac{8}{9}t^2(x - t) + \frac{8}{27}t^3 = \frac{8}{9}t^2 x - \frac{16}{27}t^3 \cdots ① $$

これが $C_2$ にも接する条件を求める。 ①と $C_2$ の方程式 $y = x^2 + 2ax + a^2$ を連立して $y$ を消去すると、

$$ x^2 + 2ax + a^2 = \frac{8}{9}t^2 x - \frac{16}{27}t^3 $$

整理して、

$$ x^2 + 2\left(a - \frac{4}{9}t^2\right)x + a^2 + \frac{16}{27}t^3 = 0 \cdots ② $$

接するためには、この $x$ についての2次方程式が重解をもてばよい。判別式を $D$ とすると、$\frac{D}{4} = 0$ より

$$ \left(a - \frac{4}{9}t^2\right)^2 - \left(a^2 + \frac{16}{27}t^3\right) = 0 $$

$$ a^2 - \frac{8}{9}at^2 + \frac{16}{81}t^4 - a^2 - \frac{16}{27}t^3 = 0 $$

$$ \frac{16}{81}t^4 - \frac{16}{27}t^3 - \frac{8}{9}at^2 = 0 $$

両辺に $\frac{81}{8}$ を掛けて整理すると、

$$ 2t^4 - 6t^3 - 9at^2 = 0 $$

$$ t^2(2t^2 - 6t - 9a) = 0 \cdots ③ $$

$t=0$ のとき、接線①は $y=0$($x$ 軸)となる。このとき $C_2: y = (x+a)^2$ は頂点が $x$ 軸上にあるため、確かに $x$ 軸と接する。 問題の条件「$x$ 軸以外に2本の接線がある」を満たすためには、③が $t \neq 0$ なる異なる2つの実数解をもち、それらが互いに異なる接線を与える必要がある。 $t \neq 0$ のとき、③より

$$ 2t^2 - 6t - 9a = 0 \cdots ④ $$

④が異なる2つの実数解をもつ条件は、④の判別式を $D_1$ として、

$$ \frac{D_1}{4} = (-3)^2 - 2 \cdot (-9a) = 9 + 18a > 0 $$

これより、$a > -\frac{1}{2}$ を得る。 さらに、④が $t=0$ を解にもたない条件より、

$$ 2 \cdot 0^2 - 6 \cdot 0 - 9a \neq 0 \iff a \neq 0 $$

また、実数の範囲では $t$ の値が異なれば $t^3$ の値も必ず異なるため、接線①の $y$ 切片 $-\frac{16}{27}t^3$ は異なる値をとる。したがって、異なる $t$ は必ず異なる接線を与える。 以上より、求める $a$ の範囲は

$$ a > -\frac{1}{2} \quad \text{かつ} \quad a \neq 0 $$

(2)

(1)の範囲において、方程式④の2つの実数解を $t_1, t_2$ とする。解と係数の関係より、

$$ \begin{cases} t_1 + t_2 = 3 \\ t_1 t_2 = -\frac{9}{2}a \end{cases} $$

2本の接線と放物線 $C_2$ との接点の $x$ 座標を求める。 接点の $x$ 座標は方程式②の重解であるから、

$$ x = -\left(a - \frac{4}{9}t^2\right) = \frac{4}{9}t^2 - a $$

$t=t_1, t_2$ に対応する接点の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)とすると、2つの接点の $x$ 座標は $\frac{4}{9}t_1^2 - a$ と $\frac{4}{9}t_2^2 - a$ である。したがって、その差 $\beta - \alpha$ は

$$ \beta - \alpha = \left| \left(\frac{4}{9}t_1^2 - a\right) - \left(\frac{4}{9}t_2^2 - a\right) \right| = \frac{4}{9}|t_1^2 - t_2^2| = \frac{4}{9}|t_1 + t_2||t_1 - t_2| $$

ここで、$|t_1 - t_2|$ を求める。

$$ |t_1 - t_2| = \sqrt{(t_1 - t_2)^2} = \sqrt{(t_1 + t_2)^2 - 4t_1 t_2} = \sqrt{3^2 - 4\left(-\frac{9}{2}a\right)} = 3\sqrt{1+2a} $$

よって、

$$ \beta - \alpha = \frac{4}{9} \cdot 3 \cdot 3\sqrt{1+2a} = 4\sqrt{1+2a} $$

次に、放物線 $C_2: y = (x+a)^2$ と2本の接線 $l_1, l_2$ で囲まれた面積 $S$ を求める。 放物線とその2本の接線で囲まれた図形において、2つの接点の $x$ 座標が $\alpha, \beta$ であるとき、2本の接線の交点の $x$ 座標は中点の $\frac{\alpha+\beta}{2}$ となる。 交点より左側では $C_2$ と $l_1$ で、右側では $C_2$ と $l_2$ で囲まれるため、面積 $S$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{\alpha}^{\frac{\alpha+\beta}{2}} (x-\alpha)^2 dx + \int_{\frac{\alpha+\beta}{2}}^{\beta} (x-\beta)^2 dx \\ &= \left[ \frac{(x-\alpha)^3}{3} \right]_{\alpha}^{\frac{\alpha+\beta}{2}} + \left[ \frac{(x-\beta)^3}{3} \right]_{\frac{\alpha+\beta}{2}}^{\beta} \\ &= \frac{1}{3} \left( \frac{\beta-\alpha}{2} \right)^3 - \frac{1}{3} \left( \frac{\alpha-\beta}{2} \right)^3 \\ &= \frac{(\beta-\alpha)^3}{24} + \frac{(\beta-\alpha)^3}{24} = \frac{(\beta-\alpha)^3}{12} \end{aligned} $$

これに $\beta - \alpha = 4\sqrt{1+2a}$ を代入して、

$$ S = \frac{1}{12} \left( 4\sqrt{1+2a} \right)^3 = \frac{64}{12} (1+2a)\sqrt{1+2a} = \frac{16}{3}(1+2a)\sqrt{1+2a} $$

解説

2つの曲線の共通接線を求める典型問題である。一方の曲線上の点における接線を立式し、それが他方の曲線にも接する条件へと持ち込むのがセオリーである。 (2) で登場した「放物線と、その上の2点における接線で囲まれた面積」は $\frac{1}{12}(\beta-\alpha)^3$ ($x^2$ の係数が $1$ の場合)となることが知られている。記述試験では、解答例のように積分計算の過程を簡潔に示すと安全である。

答え

(1)

$$ a > -\frac{1}{2} \quad \text{かつ} \quad a \neq 0 $$

(2)

$$ S = \frac{16}{3}(1+2a)\sqrt{1+2a} $$

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