北海道大学 1990年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) では、2つの式を連立して交点を求める。$x$ を消去して $y$ についての方程式を解くのが簡明である。
(2) では、求める体積が $x$ 軸まわりの回転体であるため、積分変数を $x$ とし、囲まれた図形の上端と下端を表す式から $\pi \int (y_{\text{upper}}^2 - y_{\text{lower}}^2) dx$ の公式を用いる。
(3) では、(2) で求めた $V$ の式に条件式を代入し、$V$ を $p$ のみの関数として表す。その後は微分を用いて増減を調べ、最小値を求める。
解法1
(1)
放物線 $C: y^2 = ax$ と 直線 $L: x = py$ ($a > 0, p > 0$) の交点を求める。
$L$ の式を $C$ の式に代入して $x$ を消去すると、
$$ y^2 = a(py) $$
整理すると、
$$ y^2 - apy = 0 $$
$$ y(y - ap) = 0 $$
よって、$y = 0$ または $y = ap$ である。
$y = 0$ のとき、$x = p \cdot 0 = 0$ となる。
$y = ap$ のとき、$x = p \cdot (ap) = ap^2$ となる。
したがって、求める交点の座標は $(0, 0)$ と $(ap^2, ap)$ である。
(2)
$a > 0, p > 0$ より、交点の座標は第1象限および原点にある。
区間 $0 \leqq x \leqq ap^2$ において、$C$ は $y = \sqrt{ax}$($y \geqq 0$ の部分)、$L$ は $y = \frac{x}{p}$ と表される。
この区間において、$\sqrt{ax} \geqq \frac{x}{p} \geqq 0$ であるから、求める回転体の体積 $V$ は以下の定積分で計算できる。
$$ V = \pi \int_{0}^{ap^2} \left\{ (\sqrt{ax})^2 - \left( \frac{x}{p} \right)^2 \right\} dx $$
$$ V = \pi \int_{0}^{ap^2} \left( ax - \frac{x^2}{p^2} \right) dx $$
定積分を計算すると、
$$ V = \pi \left[ \frac{a}{2}x^2 - \frac{x^3}{3p^2} \right]_{0}^{ap^2} $$
$$ V = \pi \left\{ \frac{a}{2}(ap^2)^2 - \frac{(ap^2)^3}{3p^2} \right\} $$
$$ V = \pi \left( \frac{a^3 p^4}{2} - \frac{a^3 p^6}{3p^2} \right) $$
$$ V = \pi \left( \frac{a^3 p^4}{2} - \frac{a^3 p^4}{3} \right) $$
よって、
$$ V = \frac{\pi}{6} a^3 p^4 $$
(3)
与えられた条件式は以下の通りである。
$$ a^3 = \frac{1}{p^4}(p^3 - p^2 - p + 2) $$
この式を (2) で求めた $V$ の式に代入する。
$$ V = \frac{\pi}{6} \left\{ \frac{1}{p^4}(p^3 - p^2 - p + 2) \right\} p^4 $$
$p > 0$ より $p^4 \neq 0$ であるから、約分して整理すると、
$$ V = \frac{\pi}{6} (p^3 - p^2 - p + 2) $$
ここで、$f(p) = p^3 - p^2 - p + 2$ とおき、$p > 0$ における $f(p)$ の最小値を調べる。
$f(p)$ を $p$ で微分すると、
$$ f'(p) = 3p^2 - 2p - 1 $$
$$ f'(p) = (3p + 1)(p - 1) $$
$p > 0$ において $f'(p) = 0$ となるのは、$p = 1$ のときである。
$p > 0$ における $f(p)$ の増減は以下のようになる。
$0 < p < 1$ のとき、$f'(p) < 0$ であるから $f(p)$ は単調減少する。
$p > 1$ のとき、$f'(p) > 0$ であるから $f(p)$ は単調増加する。
したがって、$f(p)$ は $p = 1$ で最小値をとる。
最小値は、
$$ f(1) = 1^3 - 1^2 - 1 + 2 = 1 $$
このとき、条件式より $a^3 = \frac{1}{1^4} \cdot 1 = 1$ となり、$a$ は実数であるから $a = 1$ と定まる。これは $a > 0$ を満たしている。
ゆえに、$V$ の最小値は、
$$ V = \frac{\pi}{6} \times 1 = \frac{\pi}{6} $$
解説
(2) の回転体の体積は、$x$ 軸まわりの回転体の体積を求める典型的な積分計算である。計算ミスを防ぐため、被積分関数を整理してから積分を実行することが重要である。結果に $a^3 p^4$ という塊が現れるが、これが (3) の条件式と綺麗に連動するように作問されている。
(3) では、条件式を用いて $V$ を一変数の関数に帰着させる。微分の基本的な計算により極小値(すなわち最小値)を求める標準的な流れである。最後に、求めた $p$ に対応する $a$ が正の数であることを確認しておくことが、論理の欠陥を防ぐために必要である。
答え
(1) $(0, 0)$ , $(ap^2, ap)$
(2) $V = \frac{\pi}{6} a^3 p^4$
(3) 最小値 $\frac{\pi}{6}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











