北海道大学 2006年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1)は空間ベクトルにおける2点間の距離の2乗を成分から計算し、式を整理して最小値を求める。(2)は2つのベクトルのなす角が $0^\circ$ 以上 $90^\circ$ 以下となる条件を、内積が $0$ 以上であること($\vec{OP} \cdot \vec{OQ} \geqq 0$)に言い換えて処理する。いずれも、成分の積や2乗を展開した後に、三角関数の加法定理(正弦の加法定理)を用いて式を簡略化することがポイントとなる。
解法1
(1)
点 $P$ と点 $Q$ の距離の2乗 $|\vec{PQ}|^2$ を計算する。$\vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP}$ であるから、
$$ \vec{PQ} = (-\sin 3t - 2\cos t, \cos 3t - 2\sin t, -2) $$
となる。よって、その大きさの2乗は、
$$ |\vec{PQ}|^2 = (-\sin 3t - 2\cos t)^2 + (\cos 3t - 2\sin t)^2 + (-2)^2 $$
これを展開して整理すると、
$$ |\vec{PQ}|^2 = (\sin^2 3t + 4\sin 3t \cos t + 4\cos^2 t) + (\cos^2 3t - 4\cos 3t \sin t + 4\sin^2 t) + 4 $$
$$ = (\sin^2 3t + \cos^2 3t) + 4(\cos^2 t + \sin^2 t) + 4(\sin 3t \cos t - \cos 3t \sin t) + 4 $$
となる。三角関数の相互関係と正弦の加法定理 $\sin(\alpha - \beta) = \sin \alpha \cos \beta - \cos \alpha \sin \beta$ を用いると、
$$ |\vec{PQ}|^2 = 1 + 4 + 4\sin(3t - t) + 4 $$
$$ = 9 + 4\sin 2t $$
となる。
問題の条件より $-180^\circ \leqq t \leqq 180^\circ$ であるから、
$$ -360^\circ \leqq 2t \leqq 360^\circ $$
である。$|\vec{PQ}|^2$ が最小となるのは、$\sin 2t$ が最小となるとき、すなわち $\sin 2t = -1$ のときである。上の $2t$ の範囲においてこれを解くと、
$$ 2t = -90^\circ, 270^\circ $$
であるから、
$$ t = -45^\circ, 135^\circ $$
となる。
それぞれの $t$ について、点 $P$ の座標を求める。 $t = -45^\circ$ のとき、
$$ \vec{OP} = (2\cos(-45^\circ), 2\sin(-45^\circ), 1) = (\sqrt{2}, -\sqrt{2}, 1) $$
$t = 135^\circ$ のとき、
$$ \vec{OP} = (2\cos(135^\circ), 2\sin(135^\circ), 1) = (-\sqrt{2}, \sqrt{2}, 1) $$
よって、求める点 $P$ の座標は $(\sqrt{2}, -\sqrt{2}, 1)$ または $(-\sqrt{2}, \sqrt{2}, 1)$ である。
(2)
$\vec{OP}$ と $\vec{OQ}$ のなす角を $\theta$ とおく。条件より $0^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ$ であるから、
$$ \cos \theta \geqq 0 $$
が成り立つ。ここで、$\vec{OP} \neq \vec{0}$ かつ $\vec{OQ} \neq \vec{0}$ であるから、上の条件は内積について、
$$ \vec{OP} \cdot \vec{OQ} \geqq 0 $$
が成り立つことと同値である。成分を用いて内積を計算すると、
$$ \vec{OP} \cdot \vec{OQ} = (2\cos t)(-\sin 3t) + (2\sin t)(\cos 3t) + 1 \cdot (-1) $$
$$ = -2\sin 3t \cos t + 2\cos 3t \sin t - 1 $$
$$ = -2(\sin 3t \cos t - \cos 3t \sin t) - 1 $$
(1)と同様に正弦の加法定理を用いると、
$$ \vec{OP} \cdot \vec{OQ} = -2\sin(3t - t) - 1 = -2\sin 2t - 1 $$
となる。条件より、
$$ -2\sin 2t - 1 \geqq 0 $$
すなわち、
$$ \sin 2t \leqq -\frac{1}{2} $$
となる。(1)と同じく $-360^\circ \leqq 2t \leqq 360^\circ$ の範囲でこの不等式を解く。単位円を用いて考えると、
$$ -150^\circ \leqq 2t \leqq -30^\circ \quad \text{または} \quad 210^\circ \leqq 2t \leqq 330^\circ $$
となる。各辺を $2$ で割って、
$$ -75^\circ \leqq t \leqq -15^\circ \quad \text{または} \quad 105^\circ \leqq t \leqq 165^\circ $$
を得る。
解説
空間ベクトルの成分表示を用いた計算問題である。(1)の距離の2乗、(2)の内積のいずれの計算においても、式を展開・整理した際に $\sin \alpha \cos \beta - \cos \alpha \sin \beta$ の形が現れることに着目し、三角関数の加法定理を適用できるかがポイントとなる。また、与えられた $t$ の範囲が $-180^\circ \leqq t \leqq 180^\circ$ と広いため、$2t$ の変域が $-360^\circ \leqq 2t \leqq 360^\circ$ となることに注意し、方程式や不等式を解く際に解の漏れがないよう慎重に処理する必要がある。
答え
(1) $t = -45^\circ$ のとき、点 $P(\sqrt{2}, -\sqrt{2}, 1)$ $t = 135^\circ$ のとき、点 $P(-\sqrt{2}, \sqrt{2}, 1)$
(2) $-75^\circ \leqq t \leqq -15^\circ, \quad 105^\circ \leqq t \leqq 165^\circ$
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