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北海道大学 2024年 文系 第3問 解説

数学2/微分法数学2/積分法数学2/図形と式テーマ/面積・体積
北海道大学 2024年 文系 第3問 解説

方針・初手

(1) 曲線 $C$ の関数の増減を調べ、グラフと水平な直線 $l$ の共有点の個数が関数の極値とどう関係するかを考える。 (2) (1)で求めた $a$ の値を用いて、方程式 $-x^3 + x^2 = a$ を解く。(1)での接点の情報から、方程式が重解をもつことを利用して因数分解を行う。 (3) 定積分を用いて面積を計算する。(2)で求めた交点の座標をもとに、被積分関数が因数分解できる形になることを利用して計算を工夫する。

解法1

(1)

$f(x) = -x^3 + x^2$ とおく。これを微分すると、

$$ f'(x) = -3x^2 + 2x = -x(3x - 2) $$

となる。$f'(x) = 0$ となる $x$ は $x = 0, \frac{2}{3}$ である。 $f(x)$ の増減を調べると、$x < 0$ のとき $f'(x) < 0$、$0 < x < \frac{2}{3}$ のとき $f'(x) > 0$、$x > \frac{2}{3}$ のとき $f'(x) < 0$ となる。 よって、$f(x)$ は $x = 0$ で極小値 $f(0) = 0$ をとり、$x = \frac{2}{3}$ で極大値 $f\left(\frac{2}{3}\right) = -\frac{8}{27} + \frac{4}{9} = \frac{4}{27}$ をとる。

曲線 $C$ と直線 $l: y=a$ がちょうど2つの共有点をもつのは、直線 $l$ が曲線 $C$ の極値をとる点を通るときである。 したがって、$a = 0$ または $a = \frac{4}{27}$ である。 問題文の条件より $a \neq 0$ であるから、$a = \frac{4}{27}$ となる。

(2)

(1)より、曲線 $C$ と直線 $l$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $-x^3 + x^2 = \frac{4}{27}$ の実数解である。 これを整理すると、

$$ 27x^3 - 27x^2 + 4 = 0 $$

となる。(1)の議論から、直線 $l$ は曲線 $C$ と $x = \frac{2}{3}$ で接することがわかっているので、この方程式の左辺は $\left(x - \frac{2}{3}\right)^2$、すなわち $(3x - 2)^2$ を因数にもつ。 左辺を $(3x - 2)^2 = 9x^2 - 12x + 4$ で割ると商は $3x + 1$ となるから、

$$ (3x - 2)^2(3x + 1) = 0 $$

と因数分解できる。 これを解いて、$x = \frac{2}{3}, -\frac{1}{3}$ となる。 これらが求める共有点の $x$ 座標である。

(3)

(2)より、曲線 $C$ と直線 $l$ は $x = -\frac{1}{3}$ で交わり、$x = \frac{2}{3}$ で接する。 区間 $-\frac{1}{3} \le x \le \frac{2}{3}$ においては、極大値をとるため直線 $l$ が曲線 $C$ の上側にある。したがって、求める面積 $S$ は

$$ S = \int_{-\frac{1}{3}}^{\frac{2}{3}} \left\{ \frac{4}{27} - (-x^3 + x^2) \right\} dx $$

$$ S = \int_{-\frac{1}{3}}^{\frac{2}{3}} \left( x^3 - x^2 + \frac{4}{27} \right) dx $$

となる。被積分関数は (2) の方程式の左辺を $27$ で割ったものに等しいため、

$$ x^3 - x^2 + \frac{4}{27} = \left(x + \frac{1}{3}\right)\left(x - \frac{2}{3}\right)^2 $$

と変形できる。したがって、

$$ S = \int_{-\frac{1}{3}}^{\frac{2}{3}} \left(x + \frac{1}{3}\right)\left(x - \frac{2}{3}\right)^2 dx $$

ここで、定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta)^2 dx = \frac{1}{12}(\beta - \alpha)^4$ を用いると、

$$ S = \frac{1}{12} \left\{ \frac{2}{3} - \left(-\frac{1}{3}\right) \right\}^4 $$

$$ S = \frac{1}{12} \cdot 1^4 = \frac{1}{12} $$

となる。

解説

3次関数と直線の位置関係、およびそれらで囲まれた面積を求める微分積分の標準的な問題である。 (1)では、グラフの概形から極値と共有点の個数の関係を正しく把握することが重要である。(2)では、接点の情報から方程式が重解をもつことを利用し、高次方程式の因数分解を効率よく行う。(3)の面積計算においては、定積分の性質や公式を用いると、煩雑な計算を避けて速やかに正答を得ることができる。

答え

(1) $a = \frac{4}{27}$ (2) $x = -\frac{1}{3}, \frac{2}{3}$ (3) $\frac{1}{12}$

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