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北海道大学 1977年 理系 第4問 解説

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北海道大学 1977年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) は与えられた等式の右辺の定積分を計算し、$0 < x \leqq \frac{\pi}{2}$ の範囲では $\sin x \neq 0$ であることを利用して、両辺を $\sin x$ で割ることで $f(x)$ を求める。 (2) は「$x=0$ で連続」という条件から、$f(0) = \lim_{x \to +0} f(x)$ であることを用いて極限計算を行う。 (3) は (1) で求めた $f(x)$ を微分し、$f'(x)$ の符号を調べる。導関数の分子の符号判定が鍵となる。

解法1

(1)

与えられた等式の右辺の定積分を計算する。半角の公式より $\cos^2 t = \frac{1+\cos 2t}{2}$ であるから、

$$ 2 \int_0^x \cos^2 t \,dt = 2 \int_0^x \frac{1+\cos 2t}{2} \,dt $$

$$ = \int_0^x (1+\cos 2t) \,dt $$

$$ = \left[ t + \frac{1}{2}\sin 2t \right]_0^x $$

$$ = x + \frac{1}{2}\sin 2x $$

したがって、与えられた等式は次のようになる。

$$ f(x) \sin x = x + \frac{1}{2}\sin 2x $$

ここで、$\sin 2x = 2\sin x \cos x$ を用いると、

$$ f(x) \sin x = x + \sin x \cos x $$

$0 < x \leqq \frac{\pi}{2}$ において $\sin x \neq 0$ であるから、両辺を $\sin x$ で割って $f(x)$ を得る。

$$ f(x) = \frac{x}{\sin x} + \cos x $$

(2)

関数 $f(x)$ は $x=0$ で連続であるから、次が成り立つ。

$$ f(0) = \lim_{x \to +0} f(x) $$

(1) の結果を用いて右辺の極限を計算する。

$$ \lim_{x \to +0} f(x) = \lim_{x \to +0} \left( \frac{x}{\sin x} + \cos x \right) $$

ここで、$\lim_{x \to +0} \frac{x}{\sin x} = 1$ であり、$\lim_{x \to +0} \cos x = 1$ であるから、

$$ f(0) = 1 + 1 = 2 $$

(3)

$0 < x < \frac{\pi}{2}$ における $f(x)$ の増減を調べるため、(1) で求めた $f(x)$ を微分する。

$$ f'(x) = \frac{1 \cdot \sin x - x \cdot \cos x}{\sin^2 x} - \sin x $$

$$ = \frac{\sin x - x \cos x - \sin^3 x}{\sin^2 x} $$

$$ = \frac{\sin x (1 - \sin^2 x) - x \cos x}{\sin^2 x} $$

$$ = \frac{\sin x \cos^2 x - x \cos x}{\sin^2 x} $$

$$ = \frac{\cos x (\sin x \cos x - x)}{\sin^2 x} $$

$$ = \frac{\cos x \left( \frac{1}{2}\sin 2x - x \right)}{\sin^2 x} $$

ここで、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ のとき $\sin^2 x > 0$ かつ $\cos x > 0$ である。 次に、カッコ内の符号を調べる。$g(x) = \frac{1}{2}\sin 2x - x$ とおくと、

$$ g'(x) = \cos 2x - 1 $$

$0 < x < \frac{\pi}{2}$ において $0 < 2x < \pi$ であり、この範囲では常に $\cos 2x < 1$ となるため、$g'(x) < 0$ である。 したがって、$g(x)$ は単調に減少する。

$g(0) = 0$ であることから、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ において $g(x) < g(0) = 0$、すなわち $\frac{1}{2}\sin 2x - x < 0$ が成り立つ。

以上より、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ において、

$$ f'(x) = \frac{\cos x}{\sin^2 x} \cdot g(x) < 0 $$

となるため、$f(x)$ はこの区間において単調に減少する。

解説

微積分に関する標準的な問題である。 (1) では、定積分で表された関数を計算し、定義域に注意して割り算を行う。 (2) では、「関数が連続である」ことの定義 $f(a) = \lim_{x \to a} f(x)$ を正しく用いることができるかが問われている。基本的な極限公式 $\lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x}=1$ を利用する。 (3) の微分計算では、式を適切に整理して符号が判定しやすい形に変形する力が求められる。$x > 0$ における不等式 $\sin x < x$ は有名事実であるが、記述式の解答では $g(x)$ などを設定して微分により示すと論理の飛躍がなく丁寧である。本解答では $\sin 2x < 2x$ に相当する部分を微分によって証明している。

答え

(1) $f(x) = \frac{x}{\sin x} + \cos x$

(2) $f(0) = 2$

(3) 単調に減少する。

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