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北海道大学 1995年 理系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/積分法テーマ/定積分計算
北海道大学 1995年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) では、被積分関数に積分変数 $t$ だけでなく $x$ も含まれているため、そのまま $x$ で微分することはできません。まずは積分の性質を用いて $x$ を積分の外にくくり出し、それから両辺を $x$ について微分します。

(2) では、(1)で求めた微分方程式を解きます。$y$ を $x$ の関数として求めた後、それを $x$ で微分することで $f(x)$ が得られます。微分方程式を解く際の積分定数は、$y = \int_{1}^{x} f(t)dt$ において $x=1$ としたときの初期条件を利用して決定します。

解法1

(1) 与えられた等式を展開し、積分変数 $t$ に無関係な $x$ を積分の外に出すと、次のようになります。

$$ \int_{1}^{x} tf(t)dt + x \int_{1}^{x} f(t)dt = 4x - 4 $$

両辺を $x$ について微分します。左辺第2項には積の微分法を用います。

$$ \frac{d}{dx} \int_{1}^{x} tf(t)dt + \left( \int_{1}^{x} f(t)dt + x \frac{d}{dx} \int_{1}^{x} f(t)dt \right) = \frac{d}{dx} (4x - 4) $$

$\frac{d}{dx} \int_{a}^{x} g(t)dt = g(x)$ の公式を用いると、

$$ xf(x) + \int_{1}^{x} f(t)dt + xf(x) = 4 $$

整理すると、次のようになります。

$$ 2xf(x) + \int_{1}^{x} f(t)dt = 4 $$

ここで、$y = \int_{1}^{x} f(t)dt$ とおくと、両辺を $x$ で微分して $y' = f(x)$ となります。これらを上の式に代入して、求める微分方程式が得られます。

$$ 2xy' + y = 4 $$

(2) (1)で求めた微分方程式を変形して解きます。

$$ 2xy' = 4 - y $$

(i) $y = 4$ のとき

$y' = 0$ となり、微分方程式 $2x \cdot 0 = 4 - 4$ を満たします。 しかし、$y = \int_{1}^{x} f(t)dt$ において $x=1$ とすると $y=0$ となる必要がありますが、$y=4$ はこの条件を満たさないため不適です。

(ii) $y \neq 4$ のとき

両辺を $y - 4$ で割り、さらに $x > 0$ であることから $2x$ で割ると、変数分離形になります。

$$ \frac{y'}{y - 4} = -\frac{1}{2x} $$

両辺を $x$ について積分します。

$$ \int \frac{1}{y - 4} dy = -\int \frac{1}{2x} dx $$

$$ \log|y - 4| = -\frac{1}{2}\log x + C \quad (C\text{ は積分定数}) $$

$x > 0$ より、右辺の対数は $\log x^{-\frac{1}{2}}$ と変形できます。

$$ \log|y - 4| = \log \frac{1}{\sqrt{x}} + C $$

絶対値を外すと、次のようになります。

$$ y - 4 = \pm e^C \cdot \frac{1}{\sqrt{x}} $$

$A = \pm e^C$ ($A \neq 0$ の定数) とおくと、一般解が得られます。

$$ y = 4 + \frac{A}{\sqrt{x}} $$

ここで、初期条件を確認します。$y = \int_{1}^{x} f(t)dt$ より、$x = 1$ のとき $y = 0$ です。これを代入して $A$ を求めます。

$$ 0 = 4 + \frac{A}{\sqrt{1}} $$

$$ A = -4 $$

したがって、$y$ は次のように求まります。

$$ y = 4 - \frac{4}{\sqrt{x}} $$

求める関数 $f(x)$ は $y'$ であるため、両辺を $x$ で微分します。

$$ f(x) = y' = \left( 4 - 4x^{-\frac{1}{2}} \right)' = -4 \cdot \left( -\frac{1}{2} \right) x^{-\frac{3}{2}} $$

$$ f(x) = \frac{2}{x\sqrt{x}} $$

解法2

(2)の別解を示します((1)は解法1と同じです)。

微分方程式 $2xy' + y = 4$ について、式の形から積の微分の逆演算を考えます。両辺に $\frac{1}{2\sqrt{x}}$ ($x > 0$) を掛けます。

$$ \sqrt{x} y' + \frac{1}{2\sqrt{x}} y = \frac{2}{\sqrt{x}} $$

左辺は積の微分法により $(\sqrt{x} y)'$ に等しくなります。

$$ (\sqrt{x} y)' = 2x^{-\frac{1}{2}} $$

両辺を $x$ について積分します。

$$ \sqrt{x} y = \int 2x^{-\frac{1}{2}} dx $$

$$ \sqrt{x} y = 4x^{\frac{1}{2}} + C \quad (C\text{ は積分定数}) $$

$$ \sqrt{x} y = 4\sqrt{x} + C $$

両辺を $\sqrt{x}$ で割ります。

$$ y = 4 + \frac{C}{\sqrt{x}} $$

初期条件として、$y = \int_{1}^{x} f(t)dt$ より $x = 1$ のとき $y = 0$ となります。

$$ 0 = 4 + C $$

$$ C = -4 $$

したがって、$y$ が定まります。

$$ y = 4 - \frac{4}{\sqrt{x}} $$

$f(x) = y'$ であるから、これを $x$ で微分して $f(x)$ を得ます。

$$ f(x) = \left( 4 - 4x^{-\frac{1}{2}} \right)' = \frac{2}{x\sqrt{x}} $$

解説

積分方程式の両辺を微分して関数を求めるのは、微積分における頻出の典型処理です。被積分関数に積分変数以外の文字が含まれる場合は、今回のように積分の外に追い出してから微分することが重要です。

(2)で導かれる $2xy' + y = 4$ のような微分方程式は、高校数学の範囲では変数分離形に変形して解く(解法1)のが標準的です。解法2のように適切な式を掛けて「積の微分の形」を作る手法(積分因子の考え方)を知っていると、場合分けを減らして簡潔に解を進めることができます。

答え

(1) $$ 2xy' + y = 4 $$

(2) $$ f(x) = \frac{2}{x\sqrt{x}} $$

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