名古屋大学 1984年 理系 第4問 解説

方針・初手
- (1) は、3点が同一直線上にあることを「2点間の傾きが等しい」こと、または「3点を通る直線を設定して解と係数の関係を利用する」ことで立式する。
- (2) は、(1) で求めた条件式を与えられた5組の点について書き下し、それらを連立させて目的の式を導く。
解法1
(1) 点 $A_k$ の $x$ 座標を $x_k$ とする。点 $A_k$ は曲線 $y=x^3$ 上にあるので、$A_k(x_k, x_k^3)$ と表せる。 また、9個の点は相異なるので、$x_1, x_2, \dots, x_9$ は互いに異なる。
3点 $A_1, A_2, A_3$ が1直線上にあるとき、直線 $A_1A_2$ と直線 $A_1A_3$ の傾きは等しい。 $A_1, A_2, A_3$ の $x$ 座標は互いに異なるので、
$$ \frac{x_2^3 - x_1^3}{x_2 - x_1} = \frac{x_3^3 - x_1^3}{x_3 - x_1} $$
が成り立つ。左辺と右辺をそれぞれ因数分解して約分すると、
$$ x_1^2 + x_1 x_2 + x_2^2 = x_1^2 + x_1 x_3 + x_3^2 $$
$$ x_2^2 - x_3^2 + x_1 x_2 - x_1 x_3 = 0 $$
$$ (x_2 - x_3)(x_2 + x_3) + x_1(x_2 - x_3) = 0 $$
$$ (x_2 - x_3)(x_1 + x_2 + x_3) = 0 $$
ここで $x_2 \neq x_3$ であるから、
$$ x_1 + x_2 + x_3 = 0 $$
逆に、相異なる3数 $x_1, x_2, x_3$ が $x_1 + x_2 + x_3 = 0$ を満たすとき、上記の式変形を逆にたどることで直線 $A_1A_2$ と直線 $A_1A_3$ の傾きが等しいことが示されるため、3点 $A_1, A_2, A_3$ は1直線上にある。 したがって、求める必要十分条件は $x_1 + x_2 + x_3 = 0$ である。
(2) (1) の結果より、曲線 $y=x^3$ 上の相異なる3点 $A_i, A_j, A_k$ が1直線上にあるための必要十分条件は、$x_i + x_j + x_k = 0$ である。
与えられた条件から、以下の5つの式が成り立つ。
$$ x_1 + x_2 + x_3 = 0 \quad \cdots \text{①} $$
$$ x_4 + x_5 + x_6 = 0 \quad \cdots \text{②} $$
$$ x_1 + x_4 + x_7 = 0 \quad \cdots \text{③} $$
$$ x_2 + x_5 + x_8 = 0 \quad \cdots \text{④} $$
$$ x_3 + x_6 + x_9 = 0 \quad \cdots \text{⑤} $$
③、④、⑤の辺々を足し合わせると、
$$ (x_1 + x_4 + x_7) + (x_2 + x_5 + x_8) + (x_3 + x_6 + x_9) = 0 $$
項を並べ替えると、
$$ (x_1 + x_2 + x_3) + (x_4 + x_5 + x_6) + (x_7 + x_8 + x_9) = 0 $$
この式に①、②を代入すると、
$$ 0 + 0 + (x_7 + x_8 + x_9) = 0 $$
よって、
$$ x_7 + x_8 + x_9 = 0 $$
が成り立つ。点 $A_7, A_8, A_9$ は問題の仮定より相異なる3点であるため、この等式は3点 $A_7, A_8, A_9$ が1直線上にあるための必要十分条件を満たしている。 したがって、3点 $A_7, A_8, A_9$ も1直線上にあることが証明された。
解法2
(1) 点 $A_k$ の $x$ 座標を $x_k$ とする。点 $A_k$ は曲線 $y=x^3$ 上にあるので、$A_k(x_k, x_k^3)$ と表せる。 また、9個の点は相異なるので、$x_1, x_2, \dots, x_9$ は互いに異なる。
3点 $A_1, A_2, A_3$ が同一直線上にあるとする。 $A_1, A_2, A_3$ は $x$ 座標が異なるため、この直線は $y$ 軸に平行ではない。 よって、直線の一次方程式を $y = mx + n$ ($m, n$ は実数)とおくことができる。 点 $A_1, A_2, A_3$ は曲線 $y=x^3$ と直線 $y=mx+n$ の交点であるから、$x_1, x_2, x_3$ は $x$ の3次方程式
$$ x^3 = mx + n $$
すなわち
$$ x^3 - mx - n = 0 $$
の互いに異なる3つの実数解である。3次方程式の解と係数の関係より、
$$ x_1 + x_2 + x_3 = 0 $$
が成り立つ。
逆に、相異なる3数 $x_1, x_2, x_3$ が $x_1 + x_2 + x_3 = 0$ を満たすとする。 ここで、$m = -(x_1 x_2 + x_2 x_3 + x_3 x_1)$、$n = -x_1 x_2 x_3$ とおくと、3次方程式の解と係数の関係から、$x_1, x_2, x_3$ は方程式
$$ x^3 - mx - n = 0 $$
の解となる。これは $x_k^3 = m x_k + n$ ($k=1, 2, 3$)を意味し、3点 $A_1, A_2, A_3$ が直線 $y = mx + n$ 上にあることを示す。 したがって、求める必要十分条件は $x_1 + x_2 + x_3 = 0$ である。
(2) ※解法1と同様であるため省略。
解説
- 3次関数と直線の交点に関する有名性質を問う問題である。(1) で解と係数の関係を利用して、$x$ 座標の和が0になることを導ければ、(2) は単なる連立方程式の処理に帰着する。
- 傾きを用いる解法でも十分解ききれるが、解と係数の関係を用いる解法(解法2)の方が計算量が少なく、より見通しが良いため、こちらの手法を習得しておきたい。
- (2) では、条件式の形(対称性)に着目してうまく足し合わせることがポイントである。
答え
(1) $A_k$ の $x$ 座標を $x_k$ とするとき、$x_1 + x_2 + x_3 = 0$ (2) (証明終)
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