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大阪大学 1978年 理系 第3問 解説

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大阪大学 1978年 理系 第3問 解説

方針・初手

2つの1次変換の合成 $f \circ g$ および $g \circ f$ は、それぞれ行列の積 $FG$、$GF$ によって表される。 変換後の点の座標が特定の直線上($y$ 軸や $y=5$)にうつるという条件を、行列の成分を用いた式で表現し、恒等式の問題として処理するのが定石である。直線 $l$ 上の点をパラメータで表す方法と、直線の方程式を直接比較する方法の2つを示する。

解法1

直線 $l: 3x+2y+1=0$ 上の点 $(x, y)$ は、実数 $t$ を用いて次のように媒介変数表示できる。

$$ \begin{cases} x = 2t - 1 \\ y = -3t + 1 \end{cases} $$

合成変換 $f \circ g$ を表す行列は $FG$ であるから、その成分を計算する。

$$ FG = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a+2c & b+2d \\ -2a+c & -2b+d \end{pmatrix} $$

$f \circ g$ によって直線 $l$ 上の点は $y$ 軸(すなわち直線 $x=0$)にうつるので、変換後の $x$ 座標は常に $0$ となる。

$$ (a+2c)x + (b+2d)y = 0 $$

これに $x = 2t-1, y = -3t+1$ を代入する。

$$ (a+2c)(2t-1) + (b+2d)(-3t+1) = 0 $$

$t$ について整理すると、以下のようになる。

$$ (2a - 3b + 4c - 6d)t - (a - b + 2c - 2d) = 0 $$

これがすべての実数 $t$ に対して成り立つため、次の連立方程式が得られる。

$$ \begin{cases} 2a - 3b + 4c - 6d = 0 \\ a - b + 2c - 2d = 0 \end{cases} $$

第2式より $(a+2c) - (b+2d) = 0$ となり、これを第1式 $2(a+2c) - 3(b+2d) = 0$ に代入すると、$a+2c = 0$ かつ $b+2d = 0$ を得る。

次に、合成変換 $g \circ f$ を表す行列 $GF$ を計算する。

$$ GF = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a-2b & 2a+b \\ c-2d & 2c+d \end{pmatrix} $$

$g \circ f$ によって直線 $l$ 上の点は直線 $y=5$ にうつるので、変換後の $y$ 座標は常に $5$ となる。

$$ (c-2d)x + (2c+d)y = 5 $$

先ほどと同様に $x = 2t-1, y = -3t+1$ を代入する。

$$ (c-2d)(2t-1) + (2c+d)(-3t+1) = 5 $$

$t$ について整理する。

$$ (2c - 4d - 6c - 3d)t - c + 2d + 2c + d = 5 $$

$$ (-4c - 7d)t + (c + 3d) = 5 $$

これがすべての実数 $t$ に対して成り立つための条件は以下の通りである。

$$ \begin{cases} -4c - 7d = 0 \\ c + 3d = 5 \end{cases} $$

第2式より $c = 5 - 3d$ とし、これを第1式に代入する。

$$ -4(5 - 3d) - 7d = 0 $$

$$ -20 + 12d - 7d = 0 $$

これより $5d = 20$ すなわち $d = 4$ となる。このとき $c = 5 - 12 = -7$ である。 前半で求めた条件 $a+2c=0, b+2d=0$ に代入すると、$a = -2c = 14$、$b = -2d = -8$ が得られる。

解法2

変換の行列の計算結果から、直線 $l: 3x+2y+1=0$ (すなわち $3x+2y = -1$)上の任意の点 $(x, y)$ に対して、以下の2つの式が成り立つ。

(i)

$f \circ g$ についての条件より、変換後の $x$ 座標が常に $0$ となる。

$$ (a+2c)x + (b+2d)y = 0 $$

(ii)

$g \circ f$ についての条件より、変換後の $y$ 座標が常に $5$ となる。

$$ (c-2d)x + (2c+d)y = 5 $$

直線 $l$ の方程式は $3x+2y = -1$ である。 (i) が直線 $l$ 上のすべての点で成り立つためには、定数項が $0$ であることから、左辺が恒等的に $0$ でなければならない。よって係数を比較して $a+2c=0$ かつ $b+2d=0$ となる。

また、(ii) が直線 $l$ 上のすべての点で成り立つためには、方程式 $(c-2d)x + (2c+d)y = 5$ が $3x+2y = -1$ と一致する必要がある。定数項を合わせるために $3x+2y = -1$ の両辺を $-5$ 倍すると、

$$ -15x - 10y = 5 $$

これと (ii) の係数を比較して、以下の連立方程式を得る。

$$ \begin{cases} c - 2d = -15 \\ 2c + d = -10 \end{cases} $$

これを解くと $c = -7$、$d = 4$ となる。 これを $a+2c=0$ かつ $b+2d=0$ に代入して、$a = 14$、$b = -8$ を得る。

解説

1次変換の問題では、直線上のすべての点が特定の図形上にうつるという条件を「恒等式」として処理できるかが鍵となる。 解法1のようにパラメータ $t$ を用いて代数的に処理する方法は、どのような図形に対しても汎用性が高く確実である。一方で、解法2のように直線の方程式の係数を直接比較する手法に気づけば、大幅に計算量を減らすことができる。

答え

$$ G = \begin{pmatrix} 14 & -8 \\ -7 & 4 \end{pmatrix} $$

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