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東北大学 1991年 文系 第2問 解説

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東北大学 1991年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は置換 $x=\alpha+(\beta-\alpha)u$ を行えば一気に計算できる。

(2) はまず $C_1$ と $C_2$ の交点を求め、$C_1$ と $C_2$ の差、および $R$ における $C_2$ の接線と $C_1$ の差を、ともに「2次式の積」の形に直す。すると (1) の結果をそのまま面積計算に使える。

解法1

(1)

$h=\beta-\alpha , (>0)$ とおき、

$$ x=\alpha+hu $$

と変数変換する。このとき $x=\alpha$ で $u=0$、$x=\beta$ で $u=1$、また

$$ dx=h,du $$

である。さらに

$$ x-\alpha=hu,\qquad x-\beta=\alpha+hu-\beta=h(u-1) $$

より、

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta),dx =\int_0^1 hu\cdot h(u-1)\cdot h,du =h^3\int_0^1 u(u-1),du $$

となる。よって

$$ h^3\int_0^1 (u^2-u),du =h^3\left(\frac13-\frac12\right) =-\frac16 h^3 $$

であるから、

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta),dx =-\frac16(\beta-\alpha)^3 $$

が成り立つ。

(2)

まず $C_1$ と $C_2$ の交点を求める。

$$ x^2=\frac12(x+1)^2 $$

より、

$$ 2x^2=x^2+2x+1 $$

すなわち

$$ x^2-2x-1=0 $$

となるから、

$$ x=1\pm\sqrt2 $$

である。したがって

$$ \alpha=1-\sqrt2,\qquad \beta=1+\sqrt2 $$

である。

次に、$C_1$ と $C_2$ で囲まれる部分の面積を求める。

$\alpha,\beta$ は $x^2-2x-1=0$ の2解なので、

$$ x^2-2x-1=(x-\alpha)(x-\beta) $$

である。よって

$$ C_2-C_1=\frac12(x+1)^2-x^2 =-\frac12(x^2-2x-1) =-\frac12(x-\alpha)(x-\beta) $$

となる。$\alpha<x<\beta$ では $(x-\alpha)(x-\beta)<0$ であるから、$C_2$ が $C_1$ の上にある。したがって面積 $S$ は

$$ S=\int_\alpha^\beta \left(\frac12(x+1)^2-x^2\right),dx =-\frac12\int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta),dx $$

であり、(1) を用いると

$$ S=-\frac12\left(-\frac16(\beta-\alpha)^3\right) =\frac1{12}(\beta-\alpha)^3 $$

となる。ここで

$$ \beta-\alpha=(1+\sqrt2)-(1-\sqrt2)=2\sqrt2 $$

なので、

$$ S=\frac1{12}(2\sqrt2)^3=\frac{4\sqrt2}{3} $$

である。

次に、$R\left(t,\frac12(t+1)^2\right)$ における $C_2$ の接線を求める。$C_2$ の微分係数は

$$ y'=x+1 $$

であるから、$R$ における接線の傾きは $t+1$ である。したがって接線を $\ell$ とすると、

$$ y-\frac12(t+1)^2=(t+1)(x-t) $$

すなわち

$$ \ell:\ y=(t+1)x+\frac{1-t^2}{2} $$

である。

この接線と $C_1$ の交点の $x$ 座標を $p,q\ (p<q)$ とすると、

$$ x^2=(t+1)x+\frac{1-t^2}{2} $$

すなわち

$$ x^2-(t+1)x-\frac{1-t^2}{2}=0 $$

の2解が $p,q$ である。よって

$$ x^2-(t+1)x-\frac{1-t^2}{2}=(x-p)(x-q) $$

であり、

$$ \ell-C_1=(t+1)x+\frac{1-t^2}{2}-x^2 =-(x-p)(x-q) $$

となる。したがって、接線 $\ell$ と $C_1$ で囲まれる部分の面積を $T$ とすると、

$$ T=\int_p^q \left(\ell-C_1\right),dx =-\int_p^q (x-p)(x-q),dx $$

である。ここでも (1) を用いれば、

$$ T=\frac16(q-p)^3 $$

となる。

ここで $q-p$ を求める。上の2次方程式の判別式を $\Delta$ とすると、

$$ \Delta=(t+1)^2-4\left(-\frac{1-t^2}{2}\right) =(t+1)^2+2(1-t^2) =4-(t-1)^2 $$

であるから、

$$ q-p=\sqrt{\Delta}=\sqrt{4-(t-1)^2} $$

である。したがって

$$ T=\frac16\left(4-(t-1)^2\right)^{3/2} $$

を得る。

条件より、

$$ T=\frac1{\sqrt2}S $$

であるから、

$$ \frac16\left(4-(t-1)^2\right)^{3/2} =\frac1{\sqrt2}\cdot \frac{4\sqrt2}{3} =\frac43 $$

となる。よって

$$ \left(4-(t-1)^2\right)^{3/2}=8 $$

すなわち

$$ 4-(t-1)^2=4 $$

であるから、

$$ (t-1)^2=0 $$

となり、

$$ t=1 $$

を得る。

解説

この問題の核心は、面積を直接積分して押し切るのではなく、差を

$$ -(x-a)(x-b) $$

の形に直して (1) を再利用する点にある。

$C_1$ と $C_2$ の差も、接線と $C_1$ の差も、どちらも2次式であり、交点を使えば積の形に因数分解できる。そのため面積は区間の長さの3乗で表され、計算が大幅に簡潔になる。

答え

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta),dx =-\frac16(\beta-\alpha)^3 $$

また、(2) の条件を満たす $t$ は

$$ t=1 $$

である。

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