東北大学 1999年 文系 第2問 解説

方針・初手
右辺の積分
$$ \int_0^1 {f(t)}^2,dt $$
は $x$ によらない定数である。したがって、与えられた関係式から $f(x)$ は $x$ の一次式でなければならない。
まず
$$ \int_0^1 {f(t)}^2,dt=C $$
とおいて $f(x)$ の形を決め、その後 $C$ が満たす方程式を作る。関数 $f(x)$ がただ1つしか存在しないという条件は、$C$ を与える実数解がただ1つであることと同値である。
解法1
$$ C=\int_0^1 {f(t)}^2,dt $$
とおくと、問題の条件は
$$ f(x)=ax+C $$
となる。
よって
$$ f(t)=at+C $$
であるから、$C$ の定義に代入して
$$ C=\int_0^1 (at+C)^2,dt $$
を得る。これを計算すると
$$ \begin{aligned} C&=\int_0^1 \left(a^2t^2+2aCt+C^2\right),dt \\ &=\frac{a^2}{3}+aC+C^2 \end{aligned} $$
となる。したがって $C$ は
$$ C^2+(a-1)C+\frac{a^2}{3}=0 $$
を満たす。
ここで、1つの実数 $C$ が定まれば $f(x)=ax+C$ もただ1つ定まる。したがって、関数 $f(x)$ がただ1つしか存在しないための条件は、この2次方程式が実数解をただ1つだけもつことである。すなわち判別式が $0$ であればよい。
判別式を $D$ とすると
$$ \begin{aligned} D&=(a-1)^2-4\cdot 1\cdot \frac{a^2}{3} \\ &=a^2-2a+1-\frac{4a^2}{3} \\ &=1-2a-\frac{a^2}{3} \end{aligned} $$
である。これが $0$ だから
$$ 1-2a-\frac{a^2}{3}=0 $$
すなわち
$$ a^2+6a-3=0 $$
を得る。これを解くと
$$ a=-3\pm 2\sqrt{3} $$
であるが、$a$ は正の定数なので
$$ a=-3+2\sqrt{3} $$
である。
このとき $C$ は重解であるから
$$ C=-\frac{a-1}{2}=\frac{1-a}{2} $$
となる。上で求めた $a=-3+2\sqrt{3}$ を代入すると
$$ C=\frac{1-(-3+2\sqrt{3})}{2}=2-\sqrt{3} $$
である。
したがって求める関数は
$$ f(x)=(-3+2\sqrt{3})x+(2-\sqrt{3}) $$
である。
解説
この問題の要点は、右辺の積分が $x$ に依存しないことに着目して、最初に $f(x)$ の形を一次式に絞ることである。ここを見抜ければ、あとは未知定数 $C$ に関する2次方程式に帰着する。
また、「関数がただ1つしか存在しない」という条件は、「その一次式の切片 $C$ を決める実数解がただ1つ」であることに対応する。したがって、判別式を $0$ とおくのが自然な処理である。
答え
$$ a=-3+2\sqrt{3} $$
このとき
$$ f(x)=(-3+2\sqrt{3})x+(2-\sqrt{3}) $$
である。
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