東北大学 1981年 理系 第2問 解説

方針・初手
領域 $D$ は、各 $x$ に対して「$y$ の下端」と「$y$ の上端」を比較すると縦に切った断面の長さが分かる。 したがって、まず $D$ の各 $x$ における高さを求め、その後 $a \le x \le a+1$ の範囲で積分すればよい。
与えられた条件は
$$ 0 \le y \le 2x \le 6 $$
および
$$ -x^2+4x-3 \le y \le 2 $$
であるから、
- $0 \le x \le 3$
- $y$ は $0,\ -x^2+4x-3$ の大きい方以上
- $y$ は $2x,\ 2$ の小さい方以下
を満たす。
ここで
$$ -x^2+4x-3=-(x-1)(x-3) $$
より、$0 \le x \le 1$ では $-x^2+4x-3 \le 0$、$1 \le x \le 3$ では $-x^2+4x-3 \ge 0$ である。 また、$0 \le x \le 1$ では $2x \le 2$、$1 \le x \le 3$ では $2x \ge 2$ である。
よって、$D$ の高さ $h(x)$ は
$$ h(x)= \begin{cases} 2x & (0 \le x \le 1)\ 2-(-x^2+4x-3)=x^2-4x+5 & (1 \le x \le 3) \end{cases} $$
となる。
解法1
面積 $S(a)$ は、幅 $1$ の帯 $a \le x \le a+1$ と領域 $D$ の共通部分の面積であるから、
$$ S(a)=\int_a^{a+1} h(x),dx $$
で与えられる。
$0 \le a \le 1$ のとき
このとき区間 $[a,a+1]$ は $x=1$ をまたぐので、$x=1$ で分けて
$$ S(a)=\int_a^1 2x,dx+\int_1^{a+1}(x^2-4x+5),dx $$
となる。
第1項は
$$ \int_a^1 2x,dx=1-a^2 $$
第2項は
$$ \int_1^{a+1}(x^2-4x+5),dx ========================= # \left[\frac{x^3}{3}-2x^2+5x\right]_1^{a+1} \frac{a^3}{3}-a^2+2a $$
であるから、
$$ S(a)=1-a^2+\left(\frac{a^3}{3}-a^2+2a\right) =\frac{a^3}{3}-2a^2+2a+1 $$
となる。
$1 \le a \le 2$ のとき
このとき区間 $[a,a+1]$ は全体が $1 \le x \le 3$ に含まれるので、
$$ S(a)=\int_a^{a+1}(x^2-4x+5),dx $$
となる。したがって
$$ S(a)= \left[\frac{x^3}{3}-2x^2+5x\right]_a^{a+1} =a^2-3a+\frac{10}{3} $$
を得る。
以上より、
$$ S(a)= \begin{cases} \displaystyle \frac{a^3}{3}-2a^2+2a+1 & (0 \le a \le 1)[2mm] \displaystyle a^2-3a+\frac{10}{3} & (1 \le a \le 2) \end{cases} $$
である。
次に最大値・最小値を調べる。
$0 \le a \le 1$ における増減
$$ S(a)=\frac{a^3}{3}-2a^2+2a+1 $$
より
$$ S'(a)=a^2-4a+2 $$
である。 これが $0 \le a \le 1$ で $0$ になるのは
$$ a=2-\sqrt{2} $$
のみである。さらに
$$ S''(a)=2a-4<0 \quad (0 \le a \le 1) $$
であるから、$a=2-\sqrt{2}$ で極大となる。
そのとき
$$ S(2-\sqrt{2}) ============= # \frac{(2-\sqrt{2})^3}{3}-2(2-\sqrt{2})^2+2(2-\sqrt{2})+1 \frac{4\sqrt{2}-1}{3} $$
である。
また端点では
$$ S(0)=1,\qquad S(1)=\frac{4}{3} $$
である。
$1 \le a \le 2$ における増減
$$ S(a)=a^2-3a+\frac{10}{3} $$
より
$$ S'(a)=2a-3 $$
であるから、$a=\dfrac{3}{2}$ で極小となる。
その値は
$$ S\left(\frac{3}{2}\right) ========================= # \left(\frac{3}{2}\right)^2-3\cdot \frac{3}{2}+\frac{10}{3} \frac{13}{12} $$
である。
また端点では
$$ S(1)=\frac{4}{3},\qquad S(2)=\frac{4}{3} $$
である。
したがって全体では、
- 最大値は $\dfrac{4\sqrt{2}-1}{3}$
- 最小値は $1$
となる。
解説
この問題の本質は、領域 $D$ をそのまま図形として追うのではなく、各 $x$ における縦の長さに置き換えることである。
特に
- $x=1$ で下端が $0$ から $-x^2+4x-3$ に切り替わる
- 同時に上端も $2x$ から $2$ に切り替わる
ので、まず $x=1$ を境に断面の高さを場合分けするのが決定的である。 その後は、面積を積分で表して $a$ の関数として整理し、微分で極値を調べればよい。
答え
$$ S(a)= \begin{cases} \displaystyle \frac{a^3}{3}-2a^2+2a+1 & (0 \le a \le 1)[2mm] \displaystyle a^2-3a+\frac{10}{3} & (1 \le a \le 2) \end{cases} $$
また、$0 \le a \le 2$ において
$$ \max S(a)=\frac{4\sqrt{2}-1}{3} \quad \left(a=2-\sqrt{2}\right) $$
$$ \min S(a)=1 \quad \left(a=0\right) $$
である。
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