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東北大学 1986年 理系 第2問 解説

数学2/微分法数学2/積分法テーマ/最大・最小テーマ/速度・距離テーマ/場合分け
東北大学 1986年 理系 第2問 解説

方針・初手

2点の位置をそれぞれ $x_1(t),x_2(t)$ とおく。速度が与えられているので、まず積分して位置を求める。

その差 $x_1(t)-x_2(t)$ が求まれば、距離 $f(t)$ はその絶対値である。さらに $0\le t\le 3$ では $t\ge 0$ なので、絶対値の扱いがかなり簡単になる。

最大値は、$f'(t)$ の符号を調べて場合分けすればよい。

解法1

(1) 距離 $f(t)$ を求める。

時刻 $0$ で両点とも原点にあるから、位置は

$$ x_1(t)=\int_0^t \left(4u^2-6au-a^2\right),du =\frac{4}{3}t^3-3at^2-a^2t $$

$$ x_2(t)=\int_0^t \left(u^2+6au-10a^2\right),du =\frac{1}{3}t^3+3at^2-10a^2t $$

である。

したがって位置の差は

$$ x_1(t)-x_2(t) =\left(\frac{4}{3}-\frac{1}{3}\right)t^3-6at^2+9a^2t =t^3-6at^2+9a^2t $$

$$ =t(t^2-6at+9a^2)=t(t-3a)^2 $$

ゆえに距離は

$$ f(t)=|x_1(t)-x_2(t)|=|t(t-3a)^2| $$

である。特に $t\ge 0$ では

$$ f(t)=t(t-3a)^2 $$

となる。

(2) $0\le t\le 3$ における $f(t)$ の最大値を求める。

以後、$0\le t\le 3$ なので

$$ f(t)=t(t-3a)^2=t^3-6at^2+9a^2t $$

とおける。微分すると

$$ f'(t)=3t^2-12at+9a^2 =3(t-a)(t-3a) $$

となる。

したがって、極値の候補は

$$ t=a,\quad t=3a $$

および端点 $t=0,3$ である。

また

$$ f(0)=0,\qquad f(3)=3(3-3a)^2=27(1-a)^2 $$

であり、$t=a$ が区間内にあるとき

$$ f(a)=a(a-3a)^2=4a^3 $$

$t=3a$ が区間内にあるとき

$$ f(3a)=3a(3a-3a)^2=0 $$

である。

ここで $f'(t)=3(t-a)(t-3a)$ の符号を調べる。

(i) $a<0$ のとき

$a,3a$ はともに $0$ より小さいので、区間 $[0,3]$ では常に $f'(t)>0$ である。したがって $f(t)$ は単調増加であり、

$$ \max_{0\le t\le 3} f(t)=f(3)=27(1-a)^2 $$

このとき $t=3$ で最大となる。

(ii) $0\le a\le 1$ のとき

このとき $a,3a$ はともに $[0,3]$ に入る。符号は

となるので、$t=a$ で極大、$t=3a$ で極小である。よって最大値は $f(a)$ と $f(3)$ の大きい方である。

比較すると

$$ f(a)-f(3)=4a^3-27(1-a)^2 $$

$$ =4a^3-27a^2+54a-27 =(a-3)^2(4a-3) $$

したがって、$0\le a\le 1$ では

である。

よって

$$ 0\le a<\frac34 ;\Rightarrow; \max f(t)=27(1-a)^2 \quad (t=3) $$

$$ a=\frac34 ;\Rightarrow; \max f(t)=\frac{27}{16} \quad \left(t=\frac34,\ 3\right) $$

$$ \frac34<a\le 1 ;\Rightarrow; \max f(t)=4a^3 \quad (t=a) $$

となる。

(iii) $1<a\le 3$ のとき

このとき $a\in[0,3]$ だが $3a>3$ である。したがって区間内の臨界点は $t=a$ のみであり、

となるから、$t=a$ で最大となる。

したがって

$$ \max_{0\le t\le 3} f(t)=f(a)=4a^3 $$

であり、そのとき $t=a$ である。

(iv) $a>3$ のとき

$a,3a$ はともに $3$ より大きいので、区間 $[0,3]$ では常に $f'(t)>0$ である。したがって単調増加であり、

$$ \max_{0\le t\le 3} f(t)=f(3)=27(1-a)^2 $$

このとき $t=3$ で最大となる。

以上より、最大値は次のようにまとめられる。

$$ \max_{0\le t\le 3} f(t)= \begin{cases} 27(1-a)^2 & \left(a<\dfrac34 \text{ または } a>3\right),[1mm] \dfrac{27}{16} & \left(a=\dfrac34\right),[1mm] 4a^3 & \left(\dfrac34<a\le 3\right). \end{cases} $$

また、そのときの $t$ は

$$ \begin{cases} t=3 & \left(a<\dfrac34 \text{ または } a>3\right),[1mm] t=\dfrac34,\ 3 & \left(a=\dfrac34\right),[1mm] t=a & \left(\dfrac34<a\le 3\right) \end{cases} $$

である。

(3) (2) で求めた最大値を最も小さくする $a$ を求める。

上の結果より、最大値 $M(a)$ は

$$ M(a)= \begin{cases} 27(1-a)^2 & \left(a\le \dfrac34\right),[1mm] 4a^3 & \left(\dfrac34\le a\le 3\right),[1mm] 27(1-a)^2 & \left(a\ge 3\right) \end{cases} $$

とみてよい。

したがって全体の最小は

$$ a=\frac34 $$

のときに達し、その最小値は

$$ \frac{27}{16} $$

である。

解説

この問題の本質は、速度を積分して位置差を求めると

$$ x_1(t)-x_2(t)=t(t-3a)^2 $$

ときれいに因数分解できる点にある。ここまで整理できれば、距離は $0\le t\le 3$ で単に

$$ f(t)=t(t-3a)^2 $$

となり、三次関数の最大値問題に落ちる。

また、微分すると

$$ f'(t)=3(t-a)(t-3a) $$

となるので、増減は $a$ と $3a$ が区間 $[0,3]$ に入るかどうかで決まる。したがって、$a$ の範囲で場合分けするのが自然である。

特に (3) では、(2) で得た「最大値の式」自体を $a$ の関数として比較することが必要であり、単に $f(t)$ を直接いじるだけでは処理しにくい。

答え

$$ f(t)=|t(t-3a)^2| $$

特に $t\ge 0$ では

$$ f(t)=t(t-3a)^2 $$

である。

$$ \max_{0\le t\le 3} f(t)= \begin{cases} 27(1-a)^2 & \left(a<\dfrac34 \text{ または } a>3\right),[1mm] \dfrac{27}{16} & \left(a=\dfrac34\right),[1mm] 4a^3 & \left(\dfrac34<a\le 3\right) \end{cases} $$

そのときの $t$ は

$$ \begin{cases} t=3 & \left(a<\dfrac34 \text{ または } a>3\right),[1mm] t=\dfrac34,\ 3 & \left(a=\dfrac34\right),[1mm] t=a & \left(\dfrac34<a\le 3\right) \end{cases} $$

である。

また、(2) で求めた最大値を最も小さくするのは

$$ a=\frac34 $$

であり、そのときの最小値は

$$ \frac{27}{16} $$

である。

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