トップ 東京大学 1982年 文系 第2問

東京大学 1982年 文系 第2問 解説

数学2/図形と式数学2/三角関数数学1/二次関数テーマ/最大・最小
東京大学 1982年 文系 第2問 解説

方針・初手

点 $A$ の $x$ 座標を変数としておき、条件に従って点 $B$、$C$ の座標を表す。 $\angle CAB$ は直線 $AB$ と直線 $AC$ のなす角であるから、それぞれの直線の傾きを求め、正接($\tan$)の加法定理を用いて $\tan(\angle CAB)$ を立式する。 $\angle CAB$ が最大となる条件を求めたのち、その条件下で直線 $AB$ と直線 $BC$ が直交する(傾きの積が $-1$ になる)ような $a$ の値を計算する。

解法1

点 $A$ の $x$ 座標を $t$ とする。 題意より、$A, B, C$ は曲線 $y = x^2$ 上にあり、$x$ 座標の差がそれぞれ $a$、$1$ であるから、各点の座標は以下のように表せる。

$$ A(t, t^2), \quad B(t+a, (t+a)^2), \quad C(t+a+1, (t+a+1)^2) $$

直線 $AB$、$AC$ の傾きをそれぞれ $m_1, m_2$ とすると、

$$ \begin{aligned} m_1 &= \frac{(t+a)^2 - t^2}{(t+a) - t} = \frac{2at + a^2}{a} = 2t + a \\ m_2 &= \frac{(t+a+1)^2 - t^2}{(t+a+1) - t} = \frac{2(a+1)t + (a+1)^2}{a+1} = 2t + a + 1 \end{aligned} $$

直線 $AB, AC$ が $x$ 軸の正の向きとなす角をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、$\tan \alpha = 2t+a$, $\tan \beta = 2t+a+1$ である。 $m_1 < m_2$ より $\alpha < \beta$ であり、$\theta = \angle CAB$ とおくと、$\theta = \beta - \alpha$ である。 $\theta$ は $0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ の範囲にあるとしてよく、$\tan \theta$ が最大のとき $\theta$ も最大となる。 正接の加法定理より、

$$ \begin{aligned} \tan \theta &= \tan (\beta - \alpha) \\ &= \frac{\tan \beta - \tan \alpha}{1 + \tan \beta \tan \alpha} \\ &= \frac{(2t+a+1) - (2t+a)}{1 + (2t+a+1)(2t+a)} \\ &= \frac{1}{1 + (2t+a)(2t+a+1)} \end{aligned} $$

分母の式を $f(t) = (2t+a)(2t+a+1) + 1$ とおく。 分子が正の定数であるため、$\tan \theta$ が最大となるのは、分母 $f(t)$ が最小となるときである。 $f(t)$ は $2t+a$ についての2次関数とみることができ、平方完成すると、

$$ \begin{aligned} f(t) &= (2t+a)^2 + (2t+a) + 1 \\ &= \left( 2t+a + \frac{1}{2} \right)^2 - \frac{1}{4} + 1 \\ &= \left( 2t+a + \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{3}{4} \end{aligned} $$

よって、$f(t)$ は $2t+a+\frac{1}{2} = 0$ のとき最小となる。 このとき、

$$ t = -\frac{2a+1}{4} $$

したがって、$\angle CAB$ が最大になるときの点 $A$ の $x$ 座標は $-\frac{2a+1}{4}$ である。

次に、$\angle CAB$ が最大になるとき、すなわち $2t+a = -\frac{1}{2}$ のときに $\angle ABC = 90^\circ$ となるような $a$ の値を求める。 $\angle ABC = 90^\circ$ となる条件は、直線 $AB$ と直線 $BC$ が直交することである。 直線 $BC$ の傾きを $m_3$ とすると、

$$ \begin{aligned} m_3 &= \frac{(t+a+1)^2 - (t+a)^2}{(t+a+1) - (t+a)} \\ &= \frac{2(t+a) + 1}{1} \\ &= 2t + 2a + 1 \end{aligned} $$

直線 $AB$ と直線 $BC$ が直交するための条件は $m_1 m_3 = -1$ であるから、

$$ (2t+a)(2t+2a+1) = -1 $$

これに $2t+a = -\frac{1}{2}$ を代入すると、

$$ \begin{aligned} -\frac{1}{2} \left( -\frac{1}{2} + a + 1 \right) &= -1 \\ -\frac{1}{2} \left( a + \frac{1}{2} \right) &= -1 \\ a + \frac{1}{2} &= 2 \\ a &= \frac{3}{2} \end{aligned} $$

これは $a$ が正の定数であるという条件を満たす。

解説

放物線 $y=x^2$ 上の2点を結ぶ直線の傾きに関する問題である。 関数 $f(x) = x^2$ において、$x=x_1$ と $x=x_2$ を結ぶ直線の傾き(平均変化率)が $\frac{x_2^2 - x_1^2}{x_2 - x_1} = x_1 + x_2$ となる事実を用いると、各直線の傾きの計算がスムーズに行える。 座標平面上の2直線のなす角の最大値を求める問題では、直線の傾きから $\tan$ の加法定理を利用し、$\tan \theta$ の最大値問題に帰着させる手法が極めて定石である。今回は分子が定数となるため、分母の2次関数の最小化という基本的な処理で完答できる。

答え

$\angle CAB$ が最大になるときの点 $A$ の $x$ 座標: $-\frac{2a+1}{4}$

$\angle ABC$ が直角になるような $a$ の値: $a = \frac{3}{2}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。