東京大学 2024年 文系 第3問 解説

方針・初手
座標条件を用いて、角の条件 $\angle OAP = \angle PMQ$ を式に直す。直線の傾きを用いて $\tan$ で処理すると、$q$ を $p$ で表しやすい。
面積条件は座標から直接書けるので、(1) の結果を代入して不等式を解く。
解法1
(1)
直角三角形 $\triangle OAP$ において、$\angle AOP = 90^\circ$ であるから、
$$ \tan \angle OAP = \frac{OP}{OA} = p $$
である。
点 $M$ は線分 $AP$ の中点であるから、
$$ M \left( \frac{p}{2}, \frac{1}{2} \right) $$
である。したがって、直線 $MP$ の傾きは
$$ m_1 = \frac{0-1}{p-0} = - \frac{1}{p} $$
であり、直線 $MQ$ の傾きは
$$ m_2 = \frac{0-\frac{1}{2}}{q-\frac{p}{2}} = - \frac{1}{2q-p} $$
である。
よって、2直線のなす角 $\angle PMQ$ に対して
$$ \tan \angle PMQ = \left| \frac{m_1-m_2}{1+m_1m_2} \right| $$
であるから、
$$ \tan \angle PMQ = \left| \frac{-\frac{1}{p} + \frac{1}{2q-p}}{1 + \frac{1}{p(2q-p)}} \right| = \left| \frac{-2q+2p}{2pq-p^2+1} \right| $$
となる。条件 $0 < p < q$ より $q-p > 0$ であり、また
$$ 2pq - p^2 = p(2q-p) > 0 $$
であるから、
$$ \tan \angle PMQ = \frac{2(q-p)}{2pq-p^2+1} $$
となる。
ここで条件 $\angle OAP = \angle PMQ$ を用いると、
$$ p = \frac{2(q-p)}{2pq-p^2+1} $$
である。整理すると、
$$ 2p^2 q - p^3 + p = 2q - 2p $$
より
$$ (2p^2-2)q = p^3 - 3p $$
となる。$0 < p < 1$ より $p^2 \neq 1$ であるから、
$$ q = \frac{p^3 - 3p}{2(p^2-1)} = \frac{p(3-p^2)}{2(1-p^2)} $$
を得る。
(2)
(1) の結果に $q = \dfrac{1}{3}$ を代入すると、
$$ \frac{1}{3} = \frac{p(3-p^2)}{2(1-p^2)} $$
である。整理すると、
$$ 3p^3 - 2p^2 - 9p + 2 = 0 $$
となる。$p=2$ を代入すると左辺が $0$ になるので、
$$ (p-2)(3p^2+4p-1) = 0 $$
である。よって
$$ p = 2, \quad p = \frac{-2 \pm \sqrt{7}}{3} $$
を得る。
条件 $0 < p < 1$ より
$$ p = \frac{\sqrt{7}-2}{3} $$
だけが適する。
(3)
$\triangle OAP$ は直角三角形であるから、その面積 $S$ は
$$ S = \frac{1}{2} \cdot OA \cdot OP = \frac{p}{2} $$
である。
また $\triangle PMQ$ の面積 $T$ は、底辺 $PQ$ の長さが $q-p$、高さが $\dfrac{1}{2}$ であるから
$$ T = \frac{1}{2} \cdot (q-p) \cdot \frac{1}{2} = \frac{q-p}{4} $$
である。
条件 $S > T$ は
$$ \frac{p}{2} > \frac{q-p}{4} $$
すなわち
$$ q < 3p $$
と同値である。ここに (1) の結果を代入すると、
$$ \frac{p(3-p^2)}{2(1-p^2)} < 3p $$
である。$p>0$ より両辺を $p$ で割り、さらに $0<p<1$ より $1-p^2>0$ を用いると、
$$ 3-p^2 < 6(1-p^2) $$
となる。整理して
$$ 5p^2 < 3 $$
であるから、
$$ 0 < p < \frac{\sqrt{15}}{5} $$
を得る。
解法2
(1) の別解
内積を用いて角の条件を処理することもできる。
$$ \overrightarrow{AO} = (0,-1), \quad \overrightarrow{AP} = (p,-1) $$
であるから、
$$ \cos \angle OAP = \frac{\overrightarrow{AO} \cdot \overrightarrow{AP}}{|\overrightarrow{AO}| |\overrightarrow{AP}|} = \frac{1}{\sqrt{p^2+1}} $$
である。
また
$$ \overrightarrow{MP} = \left( \frac{p}{2}, -\frac{1}{2} \right), \quad \overrightarrow{MQ} = \left( q-\frac{p}{2}, -\frac{1}{2} \right) $$
であるから、
$$ \cos \angle PMQ = \frac{2pq-p^2+1}{2\sqrt{p^2+1}\sqrt{\left(q-\frac{p}{2}\right)^2+\frac{1}{4}}} $$
となる。両角が等しいので
$$ \frac{1}{\sqrt{p^2+1}} = \frac{2pq-p^2+1}{2\sqrt{p^2+1}\sqrt{\left(q-\frac{p}{2}\right)^2+\frac{1}{4}}} $$
であり、整理すると最終的に
$$ q = \frac{p(3-p^2)}{2(1-p^2)} $$
を得る。
解説
角が等しいという条件は、傾きから $\tan$ で処理するか、ベクトルの内積から $\cos$ で処理するのが基本である。本問では $\tan$ を使うと $q$ について1次式にまとまり、見通しがよい。
面積条件は座標からそのまま立式できるので、(1) の結果を代入して不等式を解けばよい。
答え
(1)
$$ q = \frac{p(3-p^2)}{2(1-p^2)} $$
(2)
$$ p = \frac{\sqrt{7}-2}{3} $$
(3)
$$ 0 < p < \frac{\sqrt{15}}{5} $$
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